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絵、時々文章なブログ(姉)

sungenのブログです。pixivデータ(主に文章)の保管用ブログ。オリジナルイラスト、小説がメイン。


sungen(pixiv genペア)のブログです。


アート、デザイン、漫画、イラスト、小説について語ったり、作品をアップロードしたりします。
漫画、絵、文章を書きます。二次創作は大神。
長編小説はヘッダのシリーズまとめから探すと楽です。







■疾飛丸とウシワカ【大神】【短編】

ウシワカって、やっぱり妖怪見たらすぐ殺してしまう人なんでしょうか…。無益な殺生は避け、大将をたたく!…って書くと何かが違う…そんなタイプかも?いや大量殺妖犯なウシワカでもいいかも。
※疾飛丸の口調が激しく迷子です。ナニコレ難しすぎる!!

■疾飛丸とウシワカ

 

 ミーは、その日、両島原に来ていた。
妖怪達が捨てたゴミが海岸に打ち上げられるので、その掃除だ。

ミーの力を持ってしても、鬼ヶ島の位置を突き止めることは出来ない。
だからこうしてせめて掃除をしているのだ。
ミーは一刻も早く鬼ヶ島が消える事を願って止まないが…。しかしそれはヒミコの…。

「ハァ…」
潮風が、ため息を付くミーの羽衣を揺らす。

パサ!
何かが宙に舞う。ミーはソレを反射的に捕まえた。
…何かの瓦版か。どれどれ…。

『妖怪さん必見!超人気テーマパーク「鬼ヶ島」の出張所が期間限定で両島原に出現!』

ミーはズッコケた。
テーマパークって…。見ると、丁度開催中らしい。
きっと同じ名前の違うところだろう。誰かの悪ふざけに違いない。

…でも一応、行ってみようか…。
丁度、ゴミ拾い中に見つけた邪気面紗を持っていた。
ミーはその地図を頼りに歩を進めていった…。
ン?よく見たら割引券付いてる!コレはラッキーだ。…行くしか無いね!

「ココか…」

そこは妖怪でごった返していた
…見事に本物だった。

「ハイ、並んで管サー医」
妖怪の言葉は人間には分からない。しかし、ミーは何とか理解出来る。
邪気面紗をつけたミーは、ワクワクしている天邪鬼とか金魚とか鎌鼬に紛れて並んだ。

「オヤ 旦那 イカス面紗ダネ!」

順番を待っていると、何かに話掛けられた。
「ン?ミーのことかい?」

「アア 立派ナ オオカミデ」

この絵の良さが分かるとは。中々見所がある。
しかし…、コレは?
ミーはヒラヒラ浮く紙をつんつん小突いてみた。

「オオット 旦那ァ 無体ナ事ヲスルンジャネェヨ」
「あ、ソーリィ」
コレは失礼だったか。
何かのお札みたいなモノだ。偽ツヅラオが持っているのにそっくりだ。

…と、言うことはもしかして?

「ユー、もしかして鬼ヶ島から来たのかい?」
「エエ ソノ通リデヤス」

…適当に言ったのだが、当たったようだ。

聞いてみると、そのお札は休みを使い、期間限定のこのテーマパークで、早駆けの特訓しに来たのだという。
日々精進だと紙を折り曲げて笑っていた。

…妖怪も努力をするのか。っていうか休みとかあるのか。

「鬼ヶ島ってそんなに厳しいのかい?」
ミーは聞いてみた。
「イイエ コンナ物好キハ アッシ位ノ 物ナンスヨ…」
その紙ペラは、少し寂しそうにヒラヒラした。

「…ふぅん。ユー…よかったら、ミーと勝負してみないかい?」
ふと思いついて言ってみた。
「?」

「コレでもミーは一応、烏天狗の血を引いてるんだ。早駆けには自信がある」

ミーは適当な事を言った。
この鬼ヶ島勤務のお札と一緒に回れば何か、鬼ヶ島の事が分かるかも知れない。

「オオ…! 旦那 ソイツァ是非オネゲェシヤス!!」
「フフフ、決まりだね。…でも、なかなか進まないなぁ…、あ、うさぎリンゴ売ってる。エクスキューズ」

「ハィ、ダギャ!」
ミーは緑天邪鬼からうさぎリンゴを買った。

しかし、妖怪も普通にお金を使うのか。そう言えば倒したらお金が手に入る。
…今なぜか『え?じゃあミーっていつも巻き上げてたの?…』って気分だ…。

「ユーは食べられるのかい?」
ささいな罪滅ぼしに、紙ペラの分まで買おうかと迷って一応聞いた。
そうしたら、必要無いと言った。
「イヤ、済マネェ 旦那。アッシハ 充電式ナンデサ」
「そう…」
…この妖怪は察するに、かなりの下っ端だ。大した情報も持っていないだろう。
だが、まあそれでも良いか。
妖怪は好きじゃないが、これはタダの紙ペラだし…。充電式なら何も、人も食べないだろう。
ミーはなんだかこの妖怪が好ましく思えてきた。

「あ、やっと入れる」
程なく、ミー達は中に入った。


「へぇ!ユー、結構早いね」
ミー達は早駆け勝負をした。
っていうか、なかなかこのテーマパーク、凝っている。
期間限定だというのがもったい無いくらいだ。

「オミソレシヤシタ! 天狗ノ旦那」
「ふう、ユーもなかなかのモノだよ」

ミーはお札を褒めた。正直、ココまでミーに付いてくるとは。
「イイエ アッシハ 実ハ ナカマ内デハ 一番デシタガ…世界ハ広レェ!」
そのお札は、息を付きながら言った。
潔い。
「アハハ!ミーはちょっと長生きだからね…。ユーもそのうち」
言って、そんな日は来ないのだ、とふと思った。

「アッシハ イツカ絶対 天狗ノ旦那ニ リベンジ サセテイタダキヤス!」

「…えっと」
ミーはココの妖怪を全て殺して帰ろうと思っていた。
だけど、今日は。

「…ソーリィ。ミーはカムイに行くから、ユーとはもう勝負できない…。今日、ナカツクニでの最後の思い出にと思って来たんだった」
「ソイツハ…本当ニ残念デ、シカシ天狗ノ旦那、御出世トハ御目出度ェナ!」
そのお札は少し残念そうにしたが、祝福してくれた。
なんか、周りの妖怪も拍手をしてくれた。
やはりナカツクニの妖怪達にとってカムイはあこがれの地らしい…。
天邪鬼や金魚たちが宴会を開こうとか言い出した。

「さ、サンキュー、でもミーはもう今から発たなくちゃ。カムイは遠いし…」
そう言うと、せめてと握手を求められた。
…まあいいか。ミーは成り行きで妖怪と握手をした。
少々複雑な気分だったが…。
妖怪達はミーに軽く手を振って去って行った。

そろそろミーも帰ろうかなぁ。
ミーはお札に向き直った。もう彼ともお別れだ。

「旦那、オ元気デ!」

ミーは手を振って、一瞬で消えようとした。
…いや、さすがにいきなり消えるのは妖怪らしくないか。
少し離れたら飛んで行こうか。それなら妖怪っぽい。

ミーは少し歩き。振り返った。
やや離れたところに、紙ペラが浮いている。

「そうだ!…最後に一つ良いことを教えよう。フフフ、今日つきあってもらった、お礼って所かなぁ」
「?」
お札は不思議そうにヒラヒラゆれている。


「鬼ヶ島の攻略を狙ってる、四つ足の白い悪魔はとっても早駆けが上手だよ…!」


ミーも、何回も挑んだけど…返り討ちに合ってる。
だから、この地を離れるミーの代わりに、ユーがいつか…

ミーがそう言うと、その紙ペラは胸を張った。

「エエ!コノ疾飛丸ニ 任セテ下セェ!」

…名前は疾飛丸というらしい。
とてもおしゃべりな妖怪だった。


「フゥ…」

ミーは海岸に戻ってきた。
夕日が沈んでいく。
海がキラキラしている…。

今頃はあの下っ端妖怪も、鬼ヶ島へ戻っているのだろう。

〈おわり〉 

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