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絵、時々文章なブログ(姉)

sungenのブログです。pixivデータ(主に文章)の保管用ブログ。オリジナルイラスト、小説がメイン。


sungen(pixiv genペア)のブログです。


アート、デザイン、漫画、イラスト、小説について語ったり、作品をアップロードしたりします。
漫画、絵、文章を書きます。二次創作は大神。
長編小説はヘッダのシリーズまとめから探すと楽です。







■盟友⑦ 【大神】【長編】【挿絵あり】

■大神(長編) 盟友(大神) 小説(挿絵あり) 小説

※最後にカグヤの挿絵付きです。何か小説のシーンとは違うかも。

■盟友⑦

 
「…忘れないで、か」
ロケットに乗り込んだオキクルミはつぶやいた。
地上の様子は暫く船の内部に映し出されていた。

だが今はそれも、ただ静かな闇を映すのみ。

オキクルミは少女の事を思った。
最後に彼女に会ったら…カムイに残ってしまいそうだった。

サマイクルに結局、言いそびれてしまった事を思い出す。
一年前、彼が杯を赤い敷布に置いた、その後の事を。

…ヤツは少し笑い、杯を受け取りあおった。
「返答は一年後で良い。強制はしない…。いやならその折に薬を返してくれれば良い」
そう言って杯を置いた。
そして。

「…ソーリィ、勝手な事を言っているのは解っているよ。でも…」
ウシワカの、堅く握られた両手が震えていた。
オキクルミは彼の言葉を思い出す。

(大神を…アマテラス君を一人にしないで欲しい。ミーは天神族をアマテラス君から奪ってしまった。許されない事だ。この國にヤマトを運んだのも…、いままでたくさんの人を見殺しにしてきたのに…。その責任を果たしきること無くのうのうと死ぬ)
自分を責めるその様子は、酷く痛々しい。ウシワカは必死に、すがるようにしてオキクルミに頭を下げていた。

(こんな事、いきなり押しつけてすまない…だけど、月にいる常闇…あいつを倒さなければ、また多くの命が消される!…この先も、そんな事がずっと続く…ミーは!)

(何としても勝ちたいんだ!)
それは、間違いなくウシワカの本心だった。
ずっと戦い続ける者の。

(頼む。)

…小瓶を見つけたオキクルミは思い出してしまった。
すでに一年前のあのとき、自分が覚悟をしていたという事を。

…カイポクには悪い事をしてしまったな。
もう、さすがに許してはもらえないだろう。

「…どのくらいかかる?」

オキクルミは、中空の景色を眺めながらカグヤに尋ねた。
「場所によりますが、半日ほど…では無いでしょうか?来たときはそのくらいでした」
…微妙にあいまいな答えが返ってきた。
「うん?…このロケットとやらは何処に向かっているのだ」
オキクルミは首を傾げながら聞いた。
「あの、すみません。私は細かい事は…。でもやはり、月なのでは?このロケットの製造はウシワカさんにお任せしてしまったので…」
カグヤはあたふたしながら、怖い事をほざいた。
「……そうか」

 

二人を乗せたロケットは、順調に飛んでいった。

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