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絵、時々文章なブログ(姉)

sungenのブログです。pixivデータ(主に文章)の保管用ブログ。オリジナルイラスト、小説がメイン。


sungen(pixiv genペア)のブログです。


アート、デザイン、漫画、イラスト、小説について語ったり、作品をアップロードしたりします。
漫画、絵、文章を書きます。二次創作は大神。
長編小説はヘッダのシリーズまとめから探すと楽です。







■箱船ヤマト2 タカマガハラ① 【大神】【長編】

タカマガハラに到着。そしていきなりほのぼの。ウシワカさん、月は良いんですかー。って感じだけどそのうちフォロー?します。プレゼントをされたウシワカからは幸玉が出ました。いや、もしかしてダダ漏れなのかも?

※ヤマトの構造は書き始めたときの雑な想像です。

※箱船が方舟になってたら間違いです。正解は箱船。

 

■箱舟ヤマト2 タカマガハラ①


ミーは、その日初めてタカマガハラに降り立った。

降り立ったと言っても、正直、よく覚えて居ない。
それというのも、月で何とかヤマトに乗り込み、勝手に動く様に設定して、そのまま気絶してしまっていたからだ。

ミーは、月からの難民…ってわかる?落ち延びたって言えばいいのかな。
落ち武者…って…イッシャク君。まあそんな感じだった。

それはまた別の機会に語る事にして、とりあえず、ミーはヤマトの操縦席で、誰かに起こされた。

目を開けて、初めに見たのは、まぶしい光と、頭に黄金の翼を持つ女性だった。
「…大丈夫ですか?」

ミーはぼんやりした頭で、昔、絵本で見た…天の使いに似てるなぁ、なんて思った。
「…、!?」
そして、飛び起きた。

周りは、見たことの無い景色だった。
いや、見たことが無いくらい、美しい景色だった。
草原、緑…。小川がせせらいでいた。
風が、頰を撫でる。

「…ここは…?」

ミーは、きょろきょろした。
「ああ、よかった」
その女性が、ほっとしたように言った。

ミーが倒れていたヤマトの操縦席は、ヤマトの前に浮いていた。
彼女はどうやら、ここまで飛んで来たようだ。
「…あなたは?」
ミーは自分から名乗るのを忘れて聞いてしまった。
「私は、テンジンゾクのアズミ。ここはタカマガハラです」
「タカマガハラ…!?天神、族?」
聞き覚えがある様な気がした。記憶をたどる。
…、そうだ、月が滅ぶ時に、聞いた気がする。
「あなたは?もしかして、月の方ですか?」
聞かれ、名乗ってもいなかった事に気がついた。
「!ソーリィ、私はウシワカといいます、…月から来ました」
彼女は月の存在を知っているようだったので、ミーは頷いて言った。

とりあえず、アズミに事情を説明した。いきなり排除されなくて良かった。
この舟に乗ってきたのはミーだけで、月にはおそらく、誰も生き残ってはいないこと。
「まあ…!そんな…」
驚いた様子だった。
「…ここの代表者にお会いしたいのですが」
ミーは、とりあえず言った。もしかしたら、アズミがそうなのか?
「はい、アマテラス様は下に…でも貴方は、先に怪我の手当をした方が…」
どうやら、違うようだった。
アマテラス様…。
あ、そう言えば、少し怪我もしていたんだっけ。忘れていた。
ミーは腕を上げてみるが、それほど問題は無さそうだった。
「このくらいなら、大丈夫です」
「では、下に行きましょう。この操縦席を動かせますか?」

ミーは、操縦席を動かし、アズミと共にヤマトの中を通って、下に降りた。
「ここで月の言葉を話せるのは、私だけなのです。アマテラス様は…、フフ、見ていただいた方が早いですね」
アズミは、途中、何か嬉しそうに言った。舟の内装を眺めてニコニコしている。
「では、通訳をお願いします」
言葉が違うのか。
この女性がいて助かった。
それにしてもアマテラスとは、どのような人物なのだろうか。

扉が開き、虹の橋が架かる。

外には、まぶしい光があふれていた。
どこかで見たことのある景色な気がした。
目を細める。

そこには天神族らしき人々と、…よく分からない生き物がいた。
「…?」
ミーは、ソレが何か、分からなかった。
うーんと、コレは?
知識を総動員する。四つ足で真っ白だ。うん、動物には違いない。さっきから、ワン!と吠えてしっぽを振っている。
…何かやたらテンションが高いのは分かる。
月には、動物があまりいなかった。牛とか豚とか、鳥とか。食べられる家畜しかいない。
この生き物は、よく分からないケドそれらとは違うようだった。

ミーは首を傾げる。
ソレも首を傾げた。
クウーン?
と鳴いた。
「あ!」
ミーは思い出した。そして言った。

「そうか、コレが犬か!へぇ!ココって犬がいるんだね!!」

「…おいで!」
ミーが呼んだら、飛びついてきた。
何でも、犬は人間大好きですぐ遊んでもらいたがる動物らしい。
「ワン!」
実はミーは、昔牧場にいたことがあって、動物は好きだった。
牛相手にグチったりもしたっけ。
「コラコラ!ヨダレはノーだってば!うわ!カワイイ!アハハハ!!」
しばらく、うっかり戯れた。
「よしよし!」
お腹を撫でていると、後ろから。
「フフフ、あははははは!!ふふふふっ!!」
アズミの笑い声が聞こえた。腹をかかえて笑っている。
その様子を見ていた天神族も笑い出した。
えっ。ミー、何かまずいことした?

「月のお方、そちらが、アマテラス様ですよ」
アズミが目尻の涙をぬぐいながら言った。

「えええー!?この犬が!?」
ミーはたまげた。犬、この犬が、タカマガハラの代表!?
こんな、ポアッとした犬が…!?
「アマテラス様は、オオカミなんですよ」
アズミが横に立ち言った。
…狼!そうか、犬じゃ無かったのか。そう言う生き物がいるってのも、そう言えば文献に書いてあった。
しかし、い、…狼が代表とは…まあ、ココはそう言う文化なのかもしれない。
郷に入っては郷に従え。
月の各地を転々としていたミーは、まあそんなものか、と納得した。

…後から聞いたけど、天神族に月の民全員がミーの様な動物好きの民族と思われたらしい。
そのせいか…、ミーは月の人、とか、月の民の男とか呼ばれるようになった。

では、とりあえず、このオオカミの許可をとろう。
あ、代表だし呼び捨ては良くないよね。君とかでいいかなぁ。

「アハハ、ソーリィ、ソーリィ。ユーはオオカミか。ミーはウシワカ。月から来たんだけど…。ねえ、アマテラス君。ミーはココにいてもいいかい?」

月は、もう…滅んだだろう。できる限りのことはしてきたし。
…後はカグヤが何とでもする。
ミーは当時、…月の民が心底大嫌いだった。
散々、酷い目に遭ってたしね。…イヤな思い出しかなかった。
彼女…オスでは無いようだったから…が許してくれるなら、ここの住人になろう。
許してもらえないなら、どこかに去ろう。
そう思っていた。

オオカミは、ぱた、としっぽをふった。
そして、大きく遠吠えした。
「うわ!?」
陽が、いきなり照りだした。
ミーは、ポカンとした。

アズミが言った。
「ふふふ、アマテラス様は、貴方が気に入ったようです」
アマテラス、オオカミ、その体に、うっすらと赤い模様が見えた気がした。

■ ■ ■

次の朝。ミーは目を覚ました。
いや、昼近かった。
昨日ミーは、怪我を手当してもらってすぐに、タカマガハラで唯一の公的な建物…の部屋を借り休ませてもらった。寝心地はとても良かった。

神通力も回復している。
良い朝だった。
だが、これから、どうしよう?
そうだ、言葉も覚えなければ。
仕事も…何かして。ここで暮らしていこう。
不安もある。けど月よりマシな気がする。
…少なくとも、昼夜問わず命を狙われたりはしないだろう。
だが、予言が出来ると言う事はしばらく黙っておこう。
あのオオカミになら話しても問題ないかも…、いや、よそう…。誰に聞かれているか分からない。

自分の考えに苦笑し、外を見る。
こんなに、自然が綺麗なところに、今、いることが信じられなかった。
窓を開け、気持ちの良い風を感じたら、なぜか無性に泣きたい気分になった。

その時、扉がノックされた。
「月の方、起きていらっしゃいますか?」
アズミだ。
「…はい!」
あわてて返事をする。
「入ってもいいでしょうか?」
「どうぞ」

アズミは、ミーの服を繕ってくれたようだった。さらに洗ってもくれたようだった。
ミーは感謝し、受け取った。優しさが心に染み入る。

「アマテラス様が、直して、乾かして下さったんですよ。またそのうち、新しい着物をお作りしますね。確か似たような生地がどこかにあったはずです」

なんだか、不思議な事を聞いた。

「アマテラス君が?」
ミーは不思議に思ったが、言葉が違うらしいし、まあ語弊のような物だろうと思って深く聞かなかった。きっと、そうする様に指示…?をしたとかだろうか。

…えっと、着物を引っ張って、しっぽを振ったり?それとも、吠えたり?
…なんだか、想像したらとてもカワイイなぁ。
ミーは、あのキュートなオオカミに会いたくなってきた。

「着替えたら、広間にいらしてください。そろそろハクバがお食事のご用意をしていますから。アマテラス様もいらっしゃいますよ。色々お話しましょう」

去り際、アズミは扉にうっかり頭の羽を挟んで、イヤね!もう!って感じの事を言っていた。

そして広間に入ったミーは、目をこすった。
「ワン!」
突然アマテラス君がしっぽを振って、飛びついてきた。…それはいい。
だが、…?この背中に背負っている物は、何だろう?
丸い、何か…マンホールのフタ?みたいな。そこから、炎が勢い良く渦巻いている。
白い筋のような物も見えるし…。
それに何か、体中に落書きの様な赤い模様が描いてある。
おまけに、なんか、さっきから怪しげな術で、マルを描かれている。

撫でて!ってことかい?…ノー、ミーには効かないよ!

「ハァ…、オオカミって…大きい、神様のことか…グレイトだね」
ミーは、ようやく理解した。しかし、色々な事に呆れた。
アズミは苦笑している。
「やはり、月の方は、気がつかれていなかったのですね」
席を勧められ座る。
たしたし歩いて来たアマテラス君が、ミーの足元で丸くなった。
何か、アマテラス君が歩く度に、床に草花が咲いていた。
ひとつ、大きなあくびをして、寝てしまった。
「…、驚いたよ」
ミーは、実際、感動していた。
「まさか神、と言うものが実在するとは…!」
さすがに、こんな犬っぽい神が存在するとは!…なんて言わなかった。
「私達、天神族は、一応、アマテラス大神の眷属なのです」

「なるほど…、アズミやそちらの方達は?どういう方なんです?」
その場には、他に三名の天神族がいた。
他の天神族と違いこの建物にいると言う事は、何か公的な仕事をしているのだろうか。

「ああ。私達はアマテラス様の遊び相手です」

ミーはさすがにズッこけた。
「遊び相手!?」
思わず聞き返した。
「ええ、アマテラス様はお元気で、お相手をすると皆、くたくたになってしまうのです」
だから比較的、体力や神通力のある自分達が遊んでいるのだ。そう、こともなげに言った。
一応、皆のまとめ役として色々取り決めとかもしている。
そう言われ、ミーはほっとした。
「こちらは、スサド、マルコ…あと、今料理を持ってくるのがハクバです」
アズミに紹介され、通訳してもらい、簡単に挨拶をする。

その後、ハクバの持ってきた料理を皆で食べながら、話をした。
ハクバの料理はとても美味しかった。
そう言ったら、にこっと笑っていた。
ミーの分をアマテラス君がヨダレを垂らして見ていたので、少し分けてやった。
太りますよ。とアズミは笑っていた。
スサドとマルコとも話した。
スサドは、建築に詳しいらしい。なんと、この建物の設計と建造をしたと言っていた。
マルコは珍しい物を集めるのが趣味だと言っていた。商売らしき物をしているらしい。
ミーは興味深く、話を聞いた。

昼食後、ミーは、アズミにもし良ければ、言葉を教えて欲しいと願い出た。
何か仕事があったら紹介してもらいたいとも。
アズミは頷いた。
「言葉は、そうですね、夕食後から。今からアマテラス様のお家を見に行きましょう。あと、仕事ですが…実は」
アズミが、困って言うには、ココには、それらしい物は無いのだという。一応畑を耕したり、小麦を作ったり、果物を採取したり…そういう事が仕事と言われている。と言った。
「え…?」
まさか、そもそも通貨もないのか?そう思って聞くと、昔はあったらしいが、殆ど使わないのでどこかに行ってしまった、と言う答えが返ってきた。

「きっと、アマテラス様が天岩戸に持って行ってしまったんでしょうね」

そこで、ふとスサドが何かを言った。
アズミが、ああ、と言い訳す。
「今スサドと話したのですが、良ければ、アマテラス様の遊び相手になっていただけませんか?遊び、と言うか、月の言葉で、戦争?ですか?私達ではアマテラス様の戦争のお相手にはならないのです。月の方は何か武術はなさっていますか?」
「戦争…?」
ミーは、いきなり出て来た物騒な言葉に首をひねった。多分、適当な言葉が無かったのだろう。おそらく…平和すぎて、その種類の語彙が発達していないか、退化してしまったのだ。
「戦い、ですか?一応、剣術のような物は出来るけど…あと陰陽術も」
神通力の概念はあるようだから、通じるか分からないが、言ってみた。
アズミは手を打った。
「まあ、それは助かります。向こうに着いたら、アマテラス様とえーと、喧嘩していただけますか?」
喧嘩。
ニュアンスの違いを探っているらしいアズミにそう言われた。
要するに、試合と言う事だろう。
ミーは笑って頷き、アマテラス君に聞いた。
「ユー、どのくらい強いの?凄く強い?」
アマテラス君は、自信あり!といった感じだった。
「フフフ、じゃあ、試しにミーと遊ぼう。ユーが気に入ったらソレが、まあ仕事?…遊び?どっちでも良いか」
ミーも、思いっきり体を動かせる相手が欲しかった。
こっそり腕を磨くのは退屈なのだ。

■ ■ ■

天岩戸は、森の中にあるらしい。

ハクバがたくさん掃除道具らしい物を抱えていたので、代わりに持った。
ミー達はぞろぞろと歩いた。タカマガハラの森は明るい。
シカ?って言うのかな?がいるし、小鳥もいる。あれ?猫だ。どの生き物もミー達にかまわない。むしろ興味を持って寄ってくる。あっ、ウサギ!
散策は楽しかった。
マルコは途中で何か拾っていた。…アレってドングリ?

「ん?家があるって事は、ユーは通いの神様って事なのかなぁ?」
ふとそんな事を口にした。アズミが笑う。
「正確には、天岩戸は神殿の様な物です。アマテラス様のベッドですね」
ベッド。
「へぇ、レディの寝室を尋ねるのか。少しドキドキするね。アハハ!」
ミーは笑った。
ここは何だか面白い。…月では、こんなに笑えなかった。
月の民であるミーを受け入れてくれた、アマテラス君や天神族に感謝した。
「アマテラス様は、昨日から、フデガミを紹介するのを楽しみにしていたんです」

フデガミ…新しい単語だ。早くこのタカマガハラの言葉を覚えたい。
もしかしたら神殿、と言うのも、彼等の言葉では違う呼び方なのかもしれない。
着いたばかりでまだこの國の事がよく分からないが、何でも覚えていこう。

そこは、小さな、洞窟の様なところだった。
入り口には、霊域を示す印がつけてある。
近くに大きな滝があり、清流がある。周りは果物のなっている木々に囲まれていた。

神殿、というよりは、祠といった感じか。
月の陰陽道で良く利用したのを思い出す…のはやめておいた。
「ワン!」
アマテラスが先に入って、ミー達を呼んだ。
「ハイハイ、アマテラス様、今行きますよ」
そう言えば、アズミは月の言葉をなぜ知っているのだろう?
それに、天神族は、もしかして、アマテラス君の言葉を理解出来ているのだろうか?
疑問は後で聞くとして、ミーは少しかがみ、天の岩戸に足を踏み入れた。
奥には細長い洞窟が続いているようだ。

中は、意外にも広い円形の空間だった。
天井が、見えない。光があふれている。
床や壁は、硬質な素材で、やや青白い気がする。ほのかに発光している?
あふれるほどの、聖なる霊気に満ちている。
ミーは、立ち尽くした。
中心の、一段高くなったところに何かを収める台がある。

凄い…。

「ビューティフル…」
ミーは思わずそうつぶやいた。
「ワン!」
アマテラス君が吠えた。ミーを呼んだのかな?
アレ!?
そちらを見た、ミーは驚いた。
アマテラス君の後ろに、文字の書かれた光の玉が環になって浮かんでいる。
文字は、読むことが出来た。…月の陰陽道で使っていたものと同じだったのだ。

森羅万象。…様々な事象
それを統べる神。

それが、天照大神か!

ミーは昨日の様子を思い出す。
アマテラス君は、陽の光を操ったのだ。
彼女は太陽の神なのだ!
「グレイト!」
思わず言った。
そうしていると、光の玉が広がり、回り始めた。
十数個のそれらは、アマテラス君を中心に、建物に沿って、円形に並んだ。
そう言えば、壁にはそれぞれ動物をかたどった像がある。
光の玉は、それに吸収されていった。

「え!?」
景色が、変わる。
ココ、何処!?
何か、花畑のような場所で、アマテラス君とミーは、行儀良く輪になって座る動物たちに囲まれていた。
皆、白く、赤い隈取りがある。これが、フデガミ…!
彼等は一斉にホニョホニョ言い出した。しゃべるのか!
いや!でもそんなにいっぺんにしゃべられても!
しかも、なんて言ってるか、分からない!

「ソーリィ、また今度聞くよ!」
ミーはたまらず言った。
すると、フデガミ達は、あきらめたのか、光の玉に戻りアマテラス君に吸収されていった。

「驚いた…」
さっきの景色が消え、アズミ達の姿も見える。
アマテラス君が、こっちを見ている。

「ユーって本当にグレイトな神様なんだ」
アマテラス君をかまってやる。
ポアッとしてるけども、彼女は凄い!
アマテラス君は目を細めた。

「さあ、掃除しましょう!」
アズミがそう言うと、アマテラス君はギクッとした。

その後、皆で掃除した。

■ ■ ■

掃除を終えたら、大分時間が経ってしまっていた。
まず、毛が多かった。天井は見えないし、壁はまあ綺麗だったので掃き掃除からだ。
床は水拭きしたら土汚れが取れた。
フデガミの像も綺麗に拭いた。
何か、その裏にたくさんいろんな物がため込んであった。
食べ物や綺麗な石、布とかは分かるけど、月の雑誌なんてどこから拾ってきたのだろう?
マルコは嬉しそうにしていた。
アマテラス君は悲しそうにしていた。

外に出て、小川の側でハクバの作ったお菓子をもらい休憩していると、アマテラス君が天岩戸から何かを咥えて出てきた。どこに隠していたのだろう?
ミーに渡したいようだ。
「ン?ミーにくれるの?」
アマテラス君は、あげる、あげない…で、ちょっと迷った。
「ワン!」
結局くれた。
「サンキュー!」
ミーは笑って受け取った。

それは、羽衣のような物だった。何か変わったお面が着いている。
生地は結構長い。何枚も羽のような布が重なっている。
これは何だろう?と思っていると、マルコが話しかけて来た。
アズミが訳す。
「それは、頭につける飾りですって。似合うかしら」
「へぇ…」

その時、見えた。
この直ぐ後、ミーが、この羽衣を着け、宙に浮いてアマテラス君と戦う様子が。
あ、負けるの?イヤ…引き分けか。アマテラス君も、白い犬になっていた。

「ねえアマテラス君?これつけたら、ミーと遊ぼうか?フフフ」
ミーは、何でも無いように言った。
あるいは挑発するように。
アマテラス君は、興奮している様だ。

それから四苦八苦して、アズミやハクバにも手伝ってもらい何とか髪をまとめた。

そう言えばすっかり忘れて居たが、月から櫛を一つ持ち出せていた。
いつもなんとなく持ち歩いていた物だった。せっかくなので使った。
彼女達も長い髪を触るのは初めてのようでかなり手こずった。
一応、予言で見た形を思い出してかぶる。
まあ、今日のところはこれでいい。また良い方法を考えよう。
…アマテラス君に鏡を借りて…背負っていたのはマンホールのフタで無く鏡だった。
マフツのカガミと言うらしい…でチェックする。
よし。
羽衣をつけてみて分かったが、とにかく軽い。持った時は結構重さがあったのだが。
何か力が込められた物のようで、自分の意思でバサバサ動かすことも出来た。
面白くて気に入った。コレをつけて飛んだら、鳥みたいでナイスかもしれない!
皆にも、天神族っぽくて、凄くオシャレだと好評だった。

「さあ、アマテラス君!やろう」
ミーと、飛び起きたアマテラス君が対峙する。

ミーは笛を模した光剣を抜いた。
「レッツロック、ベィビィ!」

アマテラス君が低く吠えた。

〈つづく〉

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