読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

絵、時々文章なブログ(姉)

sungenのブログです。pixivデータ(主に文章)の保管用ブログ。オリジナルイラスト、小説がメイン。


sungen(pixiv genペア)のブログです。


アート、デザイン、漫画、イラスト、小説について語ったり、作品をアップロードしたりします。
漫画、絵、文章を書きます。二次創作は大神。
長編小説はヘッダのシリーズまとめから探すと楽です。







■箱船ヤマト4 タカマガハラ③ 【大神】【長編】

やっと一日が終了。

しかし、なんでウシワカが持って行った舟がずっとタカマガハラで救いの舟って言われてたんでしょう…いくら考えても分からない…。結構 長くいたのかな?まだ子供の時に持って行ったとか??ちょくちょくタカマガハラに行ってた系?でもこの話は青年バージョンで書きたかったので、頑張って捏 造しました。もう今のとこ、こんな感じで。

あとウシワカは怒ると妖怪がたまげる程怖いんでしょう。うーん、適当。

 

■方舟ヤマト4 タカマガハラ③

「ワン!」
アマテラス君とマルコが帰って来た。
マルコはなにやらたくさんの物を背負っている。
「お帰り、アマテラス君。マルコも。何処に行っていたんだい?ユー、ばっちいよ」
ミーは、アマテラス君に付いた埃を払ってやった。
アマテラス君は少し煙たそうにする。
フフフ、やっぱりカワイイ。汚れてても。

「あ、今、幸玉が出ていますよ。アマテラス様に吸収されてます」

アズミが言った。ミーは、ドキッとした。
キョロキョロしてみた。
「ハァ、見えないね」
「ワン!ワン!」
アマテラス君は嬉しそうだ。まあ、喜んでもらえたなら良いか。
机に風呂敷包みを置いていたマルコが、なにやらミーを呼んでいる。
アズミが訳す。
「何か、入り用な物があったら、お譲りします、だそうです」
なるほど。商売の仕入れに行っていたのか。
「じゃあ、もしかして武器とかあるかい?」
ミーは元々二刀使いだ。アマテラス君と遊ぶ為に、何か欲しい。
マルコはたくさん武器を取り出した。
…あるんだ。中々本格的な商売だ。

「うーん、月の貨幣さっぱり持って来られなかったんだけど…困ったな」
物々交換でも良いですよ、と言われた。…どうやらタダで渡す気は無さそうだ。
まあ、商売とはそう言う物だしね。
何か、いらない物…、ミーの持ち物と言ったら、笛、着物、羽衣、櫛…と、これだけか。
あとは…えーと、他に何かあったっけ?いらない物…。あ!

「そうだ、箱舟ヤマトと何か交換しないかい?」

ミーは、思いついていってみた。
「え!?」
アズミが驚いている。
「フフフ、あの舟は、救いの箱舟として月で奉られていたものだ。きっと御利益があると思うよ。…月から落ち延びたミーが今持っている物といったら、それくらいだし…。いつか何かの役に立つかもしれないし。ユー達にあげるよ。それでどうだい?代わりに何か買い物しても良い?」
「まあ…!」
さらりと言ったミーに、アズミはたまげている。まあ、実際、偶然手に入れた舟だし。

それを聞いたマルコは、爽やかに笑って負けを認めた。

何でも、今回はアマテラス君との遊びのお礼に代金は取らないつもりだったらしい。
月から落ち延びて来たばかりだし、やはり申し訳ないとも言われた。
…商人とはかくあるべきかもしれない。タダでもタダで渡さない。
…なるほど。この辺りは月とあまり変わらない。

是非とも好きな物を持って行ってくれ、だそうだ。
なにやら、アマテラス君の計らいらしい。彼女のこの、とぼけた表情はきっとドヤ顔だ。
「ミーが、二刀使いって分かったのかい?」
「クゥーン?」
聞いてみたが何か、微妙な反応だ。
「アマテラス様は、どうも、…幸玉が欲しかったみたいですね」
ミーはズッコケた。何かあげれば出るって物でも無いと思う…。
「全く、ユーは…まあ、また明日、たっぷり遊んであげる。フフフ。さて、じゃあ買い物をしよう!」

何でもあげると言われたが、ミーは、消耗品ともかく、身の回りの物は必要以上に持たない主義だ。金というのは懸けるところに懸ければ良い…建物とか、建物とか。
質素倹約、質実剛健がミーの信条だ。

まずは、刀だ。
それにしても、なかなかの品揃えだ。並べられた刀は、長物だけで二十近い。
しかも、どれも悪くない。
「ユー、大したものだよ。月でもなかなかこれだけは集まらない」
マルコは、当店の品揃えはこの國で一番と自負しております。と言った。
ミーは笑った。
「アハハ!どれにしようか…」
そう言えば、刀を持つのは久しぶりだ。月でかくまわれていた時に、神通力の核に出来る刀があればわざわざ指を切って血だの、爪切りを持ち歩いて爪だの、将来の心配をしつつ髪の毛だのを使わなくても良いのに…と何度思ったことか。結果的には親の教えを守って刀を使えないフリをしていて、良かったのかもしれないが。
「ン?」
と、一つの刀が目にとまった。鞘から抜いてみる…よし。これにしよう。まあ、別に道具は何でも良いけど。ミーはそれをマルコに預ける。マルコは少し青ざめた。
さすがは商人。値打ちが分かるらしい。
「じゃあ、次は…」
短刀をいくつかと、脇差しも。丁度良いのを適当に選ぶ。
「砥石とかってある?」
聞いたが手入れ用の物と刀帯はサービスらしい。ミーは良い店だと思った。まあ、今回はタダなんだけど。
他にも、札を作るための為の白紙、糸、筆、針金、香木…ココまでそろえられるとは。
必要な物を一通りそろえた。
ちらりと見たら、アマテラス君が、何か大破魔札と言うのを沢山買っていた。

…まさか、ミーに使う気で?…込められた神通力にぞっとした。

気を取り直し、あとは日用品だ。
アズミ達も何かを見ている。石けんや、櫛…いろいろある様だ。
支払いは、どうも何かと交換する契約をしていたようだ。聞くと、アズミは歌を、ハクバは得意の料理…いやお菓子を。スサドなんかは酒につきあう、とかそんな物だとアズミが教えてくれた。
「アハハ、それはいい」
そういった物は、…きっと凄く価値のある物だ。

ミーも、買い物を終えたアマテラス君と一緒にいろいろ見る。
手ぬぐいとか鏡台、スリッパはもともと部屋にあった。
じゃあ、着物?とりあえず夜着でも。
昨日スサドが貸してくれた物はかなり大きかった。
着替えも必要だ。まさかいつも同じ物を着ている訳にはいかない。
「そう言えば、これに似た生地があるって言ってたけど…」
アズミに聞くと、マルコは手を打ち、別の場所から反物を持ってきた。
「イエス。悪くないね」
素材もしっかりしている。ミーは自分で洗える物をいくつか選んだ。
しかし、…ミーは不器用な男なので仕立てができない。
「私も繕いくらいは出来ますが…。服の仕立てはハクバが器用にやります。昨日、見本を貸してもらって、採寸をさせてもらったら余裕でその通りに出来る、と言っていました」

アズミがそう言ったので、時間はかかってもかまわない、と言ってハクバにお願いした。
今着ている物も光明と疾風があれば直ぐ乾くだろう…。採寸は明日やる事になった。

結局、その後も色々見て、細かい物を選んだ。色々忘れていそうだが、また必要になったものは、何かと交換すれば良い。意外とタカマガハラの生活水準は高い。
「サンキュー。楽しかった」
ミーはマルコにそう言った。マルコは部屋まで運んでくれると言う。商人の鏡だ。
「じゃあ、お願いしよう。…ああ、そうだ」
ミーは懐から、袋を取り出した。
「価値があるか無いか、よく分からないんだけど…月で手に入れた物だ。良かったらこれをユーにプレゼントするよ。いらないならアマテラス君にでもあげようかな?」
ミーが出した物を見てマルコとアマテラス君は驚いた。
「妖怪牙?へぇ…」
それは、ヤマトに乗り込む前に妖怪とか切り捨てた時に、勝手に持ち物袋に入ってきた物だった。
何かレアーなアイテムっぽかったので一応、窓から捨てたりせずに取っておいたのだ。
本来はフデワザで出す物らしいが、…なぜ出て来たのだろう?
渡した量は今回の買い物でおつりが来るくらいらしい。

アマテラス君はどこかで集めたこの牙で買い物をする事もあるという。
マルコは今後ともごひいきに!と嬉しそうに笑っていた。
ミーは上客になりそうだった。

「そうだ、さっきの話。ヤマトの事だけど…」
ミーは、その時、あの舟をどこかに奉ったりして、二度と使わないつもりだった。
…帰る故郷もないし。さしたる心残りもないので、ずっとココにいる事にしたい。…その時はそう言った。
「邪魔ならミーが動かすけど…」
そう言ったら、別に畑をつぶしたりしていないし、あのままで良いと言われた。
「小さき者が遊ぶといけないので、…そうですね、危険と言うよりは、救いの舟と言う事を伝えておきましょう」
アズミは神聖な物に対しては天神族の子供も唯一聞き分けが良い、と笑った。

…天神族もリトルボーイやレディのパワーに結構手を焼いているのかもしれない。

それで、お開きになった。
ミーは、皆と別れ部屋に戻った。

「ふぅ…」
忙しい一日だった。
部屋に入り、高下駄を脱ぎ、部屋履きに代えた。
荷物は机の上に綺麗に並べて置いてあった。もう遅いし、明日の朝に片付けよう。
羽衣を外して、髪をほどく。…相当こんがらがっている。
これは洗う前に梳かないと。
鏡台の前に腰掛け、今日買った櫛で髪と激闘をしていると、ドアの外に気配を感じた。

「アマテラス君。来たのかい」
ワン!と元気に吠える。ミーはもちろん入れてやった。
「うわ、ユー…足跡」
そう言えば、彼女はすごく埃っぽかった…。いや、ばっちい。
これは、今すぐ洗わなければ。最後の大仕事が残っていた。

「やれやれ」
ミーはいやがるアマテラス君を抱えて、浴室の扉を開いた。

〈おわり〉 

広告を非表示にする