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■箱船ヤマト7 タカマガハラ⑥ 【大神】【長編】

続きです。筆神元気良し。

月の様子はしばらく後でアップします。滅亡までまだまだかかります。

 

■箱舟ヤマト7 タカマガハラ⑥


それから一月ほど後、ミーは方舟ヤマトで無事、月から帰って来た。

平原に着陸し、扉を開く。
「ヤマトだ!救いのはこぶねー!」
平原で遊んでいた天神族の子供が迎えてくれた。
直ぐに皆がぞろぞろと集まってくる。
それもそのはず。

「慈母様!おかえりなさい!」
「ワウ!」
ミーの隣にはアマテラス君がいるのだ。
久しぶりに会った天神族達とはしゃいでいる。

しばらくして、アズミ達が飛んできた。
「お帰りなさい、月の方!」
アズミがほっとしたように言う。
「ただいま…皆!」
ミーも笑った。
正直、帰って来られるとは思っていなかった。

ミーは、約一月ぶりに建物に戻った。
長椅子に座り、皆でくつろぐ。ここも久しぶりだ。
「今、お茶入れますね」
ハクバが言って、調理場に消えていった。
ミーはアズミ達に聞いた。

「アマテラス君がいない間、何か無かったかい?」

そうなのだ。
ミーは確かに、アマテラス君を置いて行った。…はずだった。
箱舟ヤマトが出発する時、アマテラス君は見送りに来なかった。
スサドとマルコから、すねてしまい天岩戸に籠もった、と聞いた。ミーは、かなり寂しいけどまあ仕方無いと思って出発した。
…だが実際は、前日から荷物に紛れヤマトに乗り込んでいたのだ。

ミーは、隣に座っているアマテラス君をなでた。

…ユーがいたから、ミーは…。

アマテラス君をハグする。でもヨダレはノーサンキュー。

ミーは、アズミ達に月でずっと気になっていた事を聞いた。
「アマテラス君が、筆神を置いてきた言ってたけど…こっちはどんな感じだったんだい?あ、そう言えば、まだ戻ってないのか」
月で再会したアマテラス君はずいぶんすっきり…というか、ショボくなっていた。
どうやらタカマガハラの守り?の為に、筆神を全部置いて来たらしかった。
試しに爆炎とかやってもらったが、何も起こらなかった。
今もアマテラス君は、すっきり模様のままだ。
アズミが笑う。

「ええ、今は罰として天岩戸に押し込めていますが、この一月、本当に賑やかでしたよ。畑の大根は全て筆神達に食べられてしまいました。何かの競争だったようですね」
「…」
ミーは少し無言になった。
そして椅子からガタッと立ち上がって、びしっとポーズを決めた。

「…これだ!ミーが求めていたのは!!」

「は???」
呆然、といった感じのアズミ、スサド、マルコを余所に、ミーはキラキラした。
「ファンタスティック!さすがタカマガハラだ!」
体がくるくる動く!
…着席。

「ふぅ…アズミ。アマテラス君がどこかに出かけることって、今までにもあったのかい?」
真面目な顔に戻ってミーは言った。
アズミは少し考えた。
「…ええと…記録には無かったと思います。ハクバなら覚えているかも…」
彼女がお茶と焼き菓子を用意していたハクバを呼ぶ。
「はーい?」
ハクバが首を傾げる。こちらにお茶を運んできた。

「アマテラス様がどこかにお出かけされた事って、今まであったか覚えてる?」
アズミが尋ねた。
「ええと、確か…ああ。ありました。その時は…えっと、何かのイベントがあるから、お忍びでナカツクニに遊びに行ったみたいです。前々世くらい前だから…ごめんなさい。凄く前としか」
ミーは驚いた。
「ハクバ、ユーはそんなにはっきり覚えてるのかい?ミーはてっきり前世の記憶が少しあるくらいだと思っていたんだけど…」
ハクバは少し考えた。
「覚えているというよりは、忘れていない…といった感じですね。言われると思い出せるんです。強く印象に残ったことだけみたいですけど」

…天神族は続いている。
ミーは以前自分でそう言ったのを思い出した。天神族はやはり、大神の眷属なのだ。
…だとしたら、ハクバはものすごくポアッとした長生き?…と言えるのか?
「へぇ…。またそこは詳しく聞かせて」
ミーは言った。
彼女は何か、常闇に関する記憶を持っているかもしれない。
タカマガハラに残っている文献も全て調べなければ。遺跡も全て調査し直そう。
あとは…月から持ってきたデータを検証して…、その前に機材をあの遺跡に移動させないと。方舟ヤマトとあの剣も調べ直そう。できることは全てやらなければ。
「…」
「月の方?」
黙り込んでしまったミーにアズミが話かけた。
いけない、皆が不思議そうにしている。
「やはり、お疲れですか?」
スサドが心配そうに言う。
「あ、ソーリィ。天岩戸に筆神達がいるなら…。少し話をしてみようかなぁ…って思って。よし。アマテラス君、今から…」

「グゥ…」
話が長かったので寝ている…。

「アマテラス君。起きて、天岩戸に行こうよ」
「クー…」
ミーは揺すってみた。ついでに耳をピコピコ触る。…やわらかい…!
「ユー、筆神をまた吸収しなくていいのかい?イズヒアー?」
「アゥ、クゥー…」
…ダメだ。起きない。しかも可愛いすぎる。
「疲れてるのかい?うーん。弱ったなぁ…ミーだけで行って教えてもらえるかなぁ?」

「あの、月の方…、筆神達に何か習いたいのですか?」
アズミが言った。何故か少し引きつっているような、微妙な表情だ。

「筆技を覚えたいんだけど…、とりあえず一人で行こうか…」
ミーは立ち上がろうとした。すると。

「あ!…月のお方、筆技もいいですが、建築について学びませんか?」
スサドが急に立ち上がって言った。
「いや、商売について!貴方は良い商人になれます!」
マルコも急に飛び上がった。
「料理とか!お菓子もおすすめですよ」
ハクバは頭の羽をバサバサしている。
「あ、えーっと、…歌なんてどうでしょう?」
アズミは乗り遅れた。

…皆、一体どうしたのだ?明らかにミーを引き留めている。
「それもナイスだね。ぜひまた教えて欲しいなぁ。アハハ!じゃあ、ミーはこれで」
ミーはとりあえず笑って言ってみた。
「わぁぁ!お待ち下さい!」
今度こそ、羽衣をつかんで引き留められた。少し痛かった。

「??何か問題でもあるのかい?」
「その、えーと、実は…」
アズミは言いにくそうにしている。
珍しくスサドが口を開いた。
「月のお方は、筆神達に嫌われてしまったようなんです…」
「え!?」
ミーが?いつの間に?
「ホワイ?…何か…嫌われるような事したっけ?」
心当たりは全くなかった。

「焼きもちですよ…まったく、大人げない」
マルコがため息を付いた。
えーと?何に?
「実は…筆神達が、月の方を討ち取ろうとするので、天の岩戸に閉じ込めておいたのです。そろそろお帰りになる頃だと思って…」
鉢合わせしなくて良かったです、とアズミが言った。
皆も呆れた様子でため息を付いている。

詳しく聞くと、どうやらミーはアマテラス君と仲良くした為に、抹殺対象となってしまったのだという。…こんな平和なトコにもアサシンがいるとは。世の中は危険でいっぱいだ。アズミ達によれば、畑の大根は腕ならし、…らしい。筆神達は一致団結して日夜昼夜、ミーを倒す為に、特訓に特訓を重ねているとのことだ。天岩戸からは今も怪奇音が響いているという。

「おかげで森には誰も寄りつきません…。動物も大分逃げ出しました。月の方には筆技が効かないので、物理攻撃の修得をしているのかもしれません…」
アズミが深くため息を付いた。
「ええ!…困ったなぁ」
ミーは腕を組んで考えた。アマテラス君が起きるのを…待つか、否か。
「今日は月の方もお疲れでしょう?どうしてもと言うのなら…明日、アマテラス様とご一緒されてはどうでしょう?」
アズミ心配そうに言った。
「ノー、行ってくるよ」
「ええ!?」
あっさり言ったミーに皆が驚く。
「死にますよ!」「香典だしません!」「抹殺されます!」「食べられちゃいます!」
なんか変な言葉も混じっている気がするが、気のせいだろう。

「サンキュー、でも、アマテラス君が月までついてきてしまったのはミーの責任だし。結果的にタカマガハラの守りが薄くなったのは事実。筆神達にはちゃんと、お礼をして、謝らないと…いけな…い?ってユー達?」
皆は号泣していた。

「グスッ、わかりました…どうぞご無事で」「ウシワカさんのことは、忘れません…っ」
「手紙書きます!」「見事な…、全く見事なお覚悟です!!」
代わる代わる握手したりして、皆はミーを送り出してくれた。

そして…ミーは天岩戸に着いた。
…なんか、中からものすごい音がする。岩とかを砕いているような。

…これって、バトル展開かなぁ?

〈つづく〉

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