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絵、時々文章なブログ(姉)

sungenのブログです。pixivデータ(主に文章)の保管用ブログ。オリジナルイラスト、小説がメイン。


sungen(pixiv genペア)のブログです。


アート、デザイン、漫画、イラスト、小説について語ったり、作品をアップロードしたりします。
漫画、絵、文章を書きます。二次創作は大神。
長編小説はヘッダのシリーズまとめから探すと楽です。







■方舟ヤマト 番外編② アズミ

■大神(長編) 箱舟ヤマト(大神) 小説

こちらは箱船ヤマト8 タカマガハラ7の続きです。

ちなみにアズミも一緒に書きましたが彼女は途中で挫折しました。

 

■タカマガハラ 番外編② アズミ

「月のお方?」
スサドが言った。

夕食後、雑談をしつつ、月の様子を聞こうか否か迷っていたら、いつの間にか返事が途絶えた。
ふと、長椅子を見ると、ウシワカはアマテラスにもたれてスヤスヤ眠っていた。
アマテラスはちょっと困惑している。緑の三角が見えた。迷っているようだ。

『ウシワカを寝かせてあげる?…うん!…重いからどけ』

「まあ?…よく寝ていらっしゃいますね」

歯磨きを終えたアズミが言った。
普段きっちりしているウシワカにしては、かなり珍しかった。
むしろ寝ているところを初めて見た。よほど疲れていたのだろう。…無理もない。

「部屋に運びましょう」
スサドがちょっと微笑んでウシワカを持ち上げた。アマテラスも長椅子から降り、ぱたぱたと後に続く。

それを見送ったアズミは、机に腰掛けた。
一人考える。
…月は、どうなっていたのだろう?
考えて見れば、私達はあの方の事をあまり知らない。
月で、どんな生活をしていたか。家族はいたのか。…悲しくはないのか。

…アマテラス様が、彼についていってくれて、本当に良かった…。

アズミはアマテラスの事を思った。アマテラスがいなければ、ウシワカはここに帰って来なかったかも知れない。
彼は、明るく振る舞っていたけど、きっと、死ぬ覚悟もしていたのだろう。
アマテラスが見送りに来なかった時の、寂しそうに笑った顔が強く印象に残っている。

「…あら?ウシワカさんは?」
片付けを終えたハクバがこちらに来た。
「長椅子で眠ってしまったからスサドが運んだの」
アズミは笑って言った。なんだか微笑ましい。
「あら。珍しい。見たかったわ」
ハクバはクスクス笑って上の階を眺めた。
アズミは彼女に聞きたい事があった。
「ねぇ、ハクバ」
「なぁに?」
彼女はこちらを向いて首を傾げる。
「あなた、この前何か言いかけてたでしょう?ほら、月の方が月に行くって聞いた直ぐ後」
「ああ…、そうね」
「あれって、何を言おうとしてたの…?」
アズミが聞いたら、ハクバは少し沈黙した。…教えてはくれないのだろうか?
しかし、何かを考えるように羽がフワフワ動いている。これは迷っている時の彼女の癖だ。
なのでアズミは待った。
しばらくして、ハクバが笑って口を開いた。
「…慈母様って、すごくウシワカさんが好きなのよね…」
「?」
アズミは首を傾げた。確かにそうだけど。それがどうかしたのだろうか?
「いえ。良かった、と思って。ウシワカさん一人で行っていたら…無事に帰って来てくれなかったかもしれない…って」
「ハクバ。ええ。…私もそれは思ったわ。そのことを言いかけたの?」
ハクバは首を振った。
「違うの。多分、私の杞憂」
そう言って、微笑んだ。
「そう?じゃあ…また気が向いたらで良いわ」
昔の記憶が多くある為か、彼女はたまにびっくりするような事を考えている事がある。
こういうときは、待つのが一番だ。大抵そのうち話してくれる。

「…でも…月にはきっと誰もいなかったのね」
ハクバが少し悲しそうに言った。
アズミも沈黙した。
生き残りがもしいたなら、彼は真っ先に教えてくれるか、タカマガハラに連れて来ただろう。
方舟ヤマトで。そうでないと言う事は…。いや、まだ分からない。
その時、丁度スサドが二階から降りてきた。
「アズミ、ハクバ。どうしたんだい?暗い顔して…」
「スサド…ウシワカさんは?」
ハクバが聞いた。
「はは。ぐっすり寝てたよ。疲れてたんだろう。何の話してたか聞いても良いかい?」
そう言って、机に腰掛けた。
アズミが今までの会話をざっと伝えた。

「そうか…。そうだね。明日何か話してくれるだろうか。でも、彼の事情に我々が立ち入っても良い物なのか…難しいね。彼とどう接していくのが良いんだろうか…」
ため息を付き、スサドはどんよりしてしまった。
アズミは根暗なスサドに話した事を少し後悔した。収集が付かない。
そう言えば、ハクバはさっきからバサバサ何か考えている。
そしていきなり手を打った。

「そうだわ。適当に設定しておきましょう!」
ハクバが変な事を言い出した。
「はぁ?」
アズミは素っ頓狂な声を出してしまった。

「きっと、彼はこの先も、自分の事は何にも話さないと思うの。そういうタイプなのよ。だからって、私達がずっと、…腫れ物に触るみたいに接する訳にはいかないわ。だから、適当に決めて、これで良いかって、逆に聞くの。…それしか無いわ!」

「えぇ?何それ…」
アズミは頭を抱えた。それで良いのだろうか?
「…なんだか間違ってる気もするけど?ハクバがそう言うなら」
スサドは頷いてしまった。スサドは大抵ハクバの言うことを聞く。

ハクバは紙と筆を取り出した。


■ ■ ■


「…それで、出来たのがこれですか?」
紙を見せられたマルコが言った。
その紙には、ウシワカの生い立ち(推測)が書かれていた。

ウシワカさんの設定。(話してくれないので勝手に考えてみた。byハクバ)
■とりあえず月の民。なんか育ちが良さそうなので王族か貴族?いまだ独身。
家族のことを心配する気配が全くないので、両親とはクーデターか何かで幼い頃に死別してしまった。そのせいで月の各地を転々とし生活する。その時いろいろ苦労したため、月の事がすごく嫌いになってしまった。陰陽術は趣味。他にも隠れた特技がイロイロあるに違いない。予言は生まれ付き。天神族から見ても引くくらい動物大好き。
もしかしてアマテラス様のお婿さん候補?で今リア充。ここでの生活は性に合っている。
…って感じかしら?結構イイ線いってると思います☆ウフフ!

月のお方の設定。(ハクバがやれと言うので考えてみた。byスサド)
■文明の発達した月で、議会か何かの議長をしていた。部下には隊長と呼ばれ慕われていた。
だがその実体は、予言の力と不思議な術を使い、様々な悪に立ち向かう正義のヒーロー『ウシワカマン↑』である。(発音は右肩上がり)トレードマークは高下駄と小指。
毎回残り十分で涼やかな笛の音とともに、高い所から現れては悪敵を誅殺する。
しかし彼の心にはいつも乾いた風が吹いていた…。(←別紙参照)
そんなある日、強力な敵、常闇の皇が、星の海から飛来し、月を乗っ取ってしまう。もちろん彼は戦った。しかし常闇に与する月の秘密結社『ダーク★ケッシャー』の謀略により、タカマガハラに左遷されてしまう。その後、ヒーローのいなくなった月は滅亡、彼はそのことで心に深い傷を負い、今も悔やんでいる。
タカマガハラではようやく出て来た真ヒロイン、女神アマテラスとの出会いが待っていた。彼女の正体は何とウシワカの…(長いので以下省略)

…というような感じだった。
「へぇ。よくできてますねぇ!」
マルコは感心した。
「でしょう?」「ですよね!」
盛り上がる三人を余所に真面目なアズミは一人頭を抱えた。
…これだから天神族は!いや自分もそうなのだが。
アズミは紙を取り上げた。
ガラスのように繊細な彼は、そっとしておいてあげましょう。
そう言ったら、皆にそれは絶対にキャラ違う…と言われた。
「???」
アズミは首を傾げた。
…何のことかよく分からない…キャラ…?
「この紙は捨てておきます。もう寝ましょう!」
それでようやくお開きになった。

だが、その紙はひょんな事からウシワカに見つかって、大笑いされてしまうのだった…。

〈番外編③スサドにつづく〉

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