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■正義のヒーロー!ウシワカマン↑ ①【箱船ヤマト】【大神】【長編】【特撮パロ】

こちらは箱船ヤマト 番外編②アズミのおまけです。

※大神の特撮パロディです。

見事な脱線っぷりですね…。番組?の前半は半沢直樹っぽ い感じで。(ちなみに白犬の読みは「はくけ ん」です「はっけん」でも可)実は暴走しすぎな第8話と飛んで第10話もまた途中でいきなり入ります。

 

正義のヒーロー!ウシワカマン↑①

「おやおやこれはウシワカ殿…全く先日は大したご活躍でしたねぇ」

赤い絨毯が敷かれた月の議事堂の回廊で、部下を引き連れたおっさんが、同じく部下を引き連れた青年に絡んでいる。
「いえ」
ウシワカと呼ばれた青年はやや俯いて言った。
二人は、月の議会をまとめる議長というほぼ同じ立場だ。
月には左院と右院があり、左院の方がやや権限が強い。
ウシワカはこの若さで、王から直々に左院の議長に抜擢された超エリートだ。それが、長年かけてこの地位まで上り詰めたおっさんには面白くない。ことあるごとに突っかかってくる。
廊下での小競り合いは日常茶飯事で、この前もウシワカはおっさんに、「シャンプーの香りが気になる」とかイチャモンを付けられ自慢の金髪を引っ張られていた。

ウシワカは議長の他に監査役もこなしていて、つい先日、大きな汚職を解決した所だった。
今日はそのことで突っかかってきた。
「まったく、貴方には敵いませんねぇ!卑しい…おっと、タダの平民の出で有りながら、顔一つで…ぶふっ!いえ、その頭一つでココまでご活躍なさるとは、この私の部下だった頃からは全く、…想像も付きませんでしたよ?ははは!今日の下着は何色ですか?おっと、貴方は男性でしたね!ゲヒャハ!」
おっさんの笑い声に合わせ、おっさんの部下が失笑する。
ウシワカの部下は…こいつら殺したる!っといった視線でそれをにらんだ。

「キャン!」
そこに、何か飛び出してきた。カワイイ白子犬だ。
「あっ!済みません!」
それを幼い少女がつかまえた。月の王女、カグヤ姫だ。
「カグヤ姫?」
ウシワカが彼女を呼ぶ。
「あ…あの」
姫は大人達に見つめられ、硬直した。だが言った。
「お邪魔して済みません!あ、あの…チビが逃げてしまって…お仕事ご苦労様です!失礼しま…」
そして直ぐ去ろうとするカグヤ。しかし、おっさんが立ちはだかった。
「!!」
カグヤは真っ青になった。このおじさんはいつも王女のカグヤには厳しい。昨今、貴族のなかには『形ばかりの王族に従うものか。我らが月の政権を担っているのだ!』と言う風潮が蔓延している。実際としてもその通りで、お飾りの王女のカグヤ姫より、貴族で右議長のおっさんの生意気な娘の方がお見合い相手に事欠かない。おっさんより立場が上の左議長ウシワカはまだ独身だ。
「…フン。あばずれ女のガキが!」
おっさんはそう吐き捨てた。そして去って行った。ちなみに今の王妃には不貞疑惑がかけられている。事実かは全くの謎だが、その為カグヤ姫は立場が危ういのだ。
「…!」
カグヤは少し涙ぐんだ。そしておっさん達が消えるまでチビを抱きしめたまま、その場から動けないでいた…。

「…カグヤ姫、子犬の扱いにはお気をつけて下さい」
おっさんが去った後、ウシワカが声を掛けた。
「…」
カグヤはウシワカを見上げる。少し怯えたような、それでも嬉しそうな表情で。
「おしごと、頑張ってください」
淡く微笑み、一礼して、パタパタと去って行った。
ウシワカはその姿を見つめていた。

ウシワカの執務室に、部下が集まっている。
「…くそ!あのおっさん!姫様になんてことを!!…隊長!良いんですか!もう不敬罪で訴えることも可能ですよ!」
左議長の権限は強い。就任と同時にウシワカは貴族の地位を得ていた。位だけならおっさんより二つ上だ。
「今は、まだ仕方無い。王妃の疑惑が晴れない限りは…」
ウシワカはため息を付いた。その横顔は寂しげだ。

「隊長…」
ウシワカは部下達にそう呼ばれて慕われている。
真面目で公平誠実な人柄は、王宮の侍女達は言うまでも無いが、平民出身の議員や、物のわかる貴族にも高い人気がある。素直でカワイイ王女のカグヤ姫も同じだ。

…そう言えば、彼女は何かと良いタイミングのドジで結果的にウシワカを助けてくれる。
第4話でうっかり転んで悪徳貴族のカツラを剥がしてしまった事は今や伝説となっている。

「いずれ何とかするよ。このままにはしない」
ウシワカは毅然と顔を上げ言い切った。
部下達はその姿をほれぼれと見つめた。今日も格好いい!

だが…ウシワカには、気になる噂がある。詳しい事情は漏れてこないが、幾度か秘密裏に王宮に召喚されている…と言う物だ。その時期が重なっている為、王妃の問題に何か関わる事なのでは?と言われているのだ。
監査役というもう一つの仕事柄、王に呼ばれただけなのかもしれない。しかし、王との連絡を担う専門の書記官も存在する。…その為、口さがない連中は、王妃の不貞の相手が実はウシワカなのでは無いか?と影でコソコソ騒いでいるのだ。…イケメンは大変だ。

だが、ウシワカの部下達はもう一つの可能性を疑っていた。
もしかしたら隊長とカグヤ姫には、何らかの血縁があるのではないか…?
なんか、飼っている犬が似ているし、他にもイロイロ懸案材料がある。
まだ殆ど当てずっぽうだが、そうだとすればカグヤ姫がウシワカに親しげなのが説明できるし、出世が早いのも、王の覚えが良いらしいのも納得できる…まあこれは隊長の能力なら当然だが。
カグヤ姫の方は隊長本人が、たまたま困っていたカグヤを助けた事から親しくなったと言っていた。それでも二人の間には何かがあるような気がする。それがウシワカを側で見てきた部下達の直感だった。
…隊長はカグヤ姫を見ると、きまって寂しそうな顔をなさる…。今の状況、カグヤ姫の立場にも心を痛めているようだった。

…問題は王妃の不貞疑惑がどうなっているのかだ。結局の所、それが片付くまでは、カグヤ姫に対する虐めの数々も取りざたにはしてもらえない。

ウシワカの部下達は密かに燃えていた。王妃の不貞?それがウシワカに関わって?そんなはずは無い!!我らで隊長の汚名(実はまだ別に言われても無い)を晴らす!カグヤ姫も守る!と。
…よくある空回りであった。

「それにしても、もしかして…あのおっさん…?」
ウシワカは何かを考えているようだった。
おっと、こんな事をしている場合では無い。
「さぁ。仕事だよ!」
ウシワカの号令で部下達はそれぞれの仕事に戻っていった。

日が落ちたかなり後。
じゃんけんで勝ったあるラッキーな部下が、執務室に夕飯の差し入れをしに来た。
ウシワカは放っておくとあまり食べないので、部下が何か差し入れるのがもはや習慣になっている。今日も仕事は多く、みんな残業の気配だ。休憩も無い。
だが差し入れ担当になると、隊長とほんの少し、十分ほど休憩出来る。絶対に食べさせなければいけないからだ。
部下はうきうきと扉を叩いた。
「隊長ー。夕飯ですよ!って…あれ?」
執務室は空だった。
「隊長…?」
机には完璧に片付けられた仕事が置いてあり、「月の闇が深いので…少し出てくる」と書き置きがあった。
開けっぱなしの窓にかかったカーテンが揺れていた…。

 

■ ■ ■


月…数々の闇を内包する星。

夜の闇に紛れ、様々な悪がうごめく…。

ここはとある邸宅。
怪しい黒布をかぶった男が、なにやら赤い液体の入った小瓶を見つめている。
「ゲヒャハ!この惚れ薬があれば、月の王女カグヤ姫は私の物だ!!(ロリコン)」

ぴろろ~。
「はっ!この笛の音は!?」

「フフフ…アハハハ!!ユーのような、おっさんが月の王女カグヤ姫に手を出そうなんて千年遅い!」
「だ、誰だ!!?」
声はすれども姿は見えず。男は焦った。
「フフ…窓の外を見てご覧!」

慌てて男が二階の窓を開けると、外の高い木のてっぺんに誰かいる!
鳥のような羽衣をかぶり、目元を金色の仮面で隠している。
笛を吹き、高下駄を履き…。そして!

「き、貴様!まさかその小指は!!」

「フフフ…」
彼は笛を高速で回転させる。シュパパパパパ!と音がする。
「ミーはタダの通りすがりさ…でもね!」

「見たよ、聞いたよ、知っちゃった!予言のヒーロー、ウシワカマン…イズヒア!!」

ビシィ!とウシワカマンは笛を前に突きだし、かっこいいポーズを決めた。

「ミーには分かって居るよ…王女カグヤに対する数々の無礼な振る舞い!…それはずばり!愛情の裏返しだとね!」

「っ!!な…何故それを!?」
図星を突かれた男が焦って叫んだ。

「ふふふ…可愛い子ほど虐めたい。好きな子にはいたずらしたい!…何を隠そう…ミーもそう言うタイプなのさ!!!だが!相手は王女!許されぬ事だ!!さっさとその薬を渡して観念するんだね!」

「く、くそぉ!カグヤは私の物だ!!者ども!であえー!」

おっさんが真っ赤になって叫ぶ。しかし…!
「お館さまー!全滅ですっ!」
手下の一人がボロボロになって隣の隠し部屋から出て来た。
「な、なんだと!」
「うわぁぁああ」
その手下も何者かに引き倒された。あわてておっさんが部屋の中を見る。
延びた手下の山に、黄金に輝く仮面をつけた白犬がまたがっている。

「ワン!!」

白い犬!?まさかコイツが!?手下を全て倒したのか!
「なにぃーー!?くそ!」
慌てて男は逃げようとする。

しかし突如目の前に現れた影に行く手を阻まれる。
「させないよ!王妃の不貞疑惑を流したのもユーだね?結果的に王女のお見合い相手が減れば自分にもチャンスがあると思ったのかい!?惚れ薬でダメ押しなんてやることが卑怯だよ!…ミーは怒った!」

「必殺!陰陽師アターック!!!!」

「ギャヒィ~!!やられたー!」
謎の衝撃派に男が小瓶を手放した。それは空中を飛び偶然?ウシワカマンの手の中に!

これにて一件落着!今宵も月の平和は守られた。

後日、監査会の抜き打ち調査が入り、ついでに男の邸宅から王女の盗撮写真がたんまり出て来た。
くだんのロリコン男はお縄となった。

「アハハハ!フフフ!…フフフフフ…!」
月の平和を守る、ウシワカマン。その正体は誰も知らない…。

〈おわり〉

■ ■ ■

■エピローグ  (おまけ)

「しかし、あのおっさんがロリコンだったなんて…!汚職の証拠も沢山だったとか。お手柄ですね!」
部下は嬉しそうに言った。
隊長はいつもあまり手柄を語らないので、ウシワカの部下の監査官の知り合いに聞いた。
曰く、大汚職の名目で調査に入り、その証拠はもちろんバッチリあった。
知り合いは、だけどそれ以外にもヤバイ物がザクザクあって、心臓が止まるかと思った、と興奮気味に語っていた。
なんと王女の誘拐の具体的な計画まで立てられていたと言う。しかも誘拐の決行予定日は抜き打ち調査の四日後だったらしい。
…危ない所だったのだ。このタイミングで偶然抜き打ち調査を断行したウシワカの評価がついでに上がった。

ねちこい嫌がらせはギリギリセーフでも王女に対する盗撮、その他諸々がついに王の逆鱗に触れ、おっさんは牢屋行きだ。
そう言えば、知り合いはあの邸宅にはなぜか白い犬の毛が沢山落ちていた、と言っていた。
おっさんは犬を飼ってはいなかったが、隊長の飼っている大型犬もそう言えば白いが…まあ、大した事はないだろう。

「イエス。ロリコンは良くないね。…ゴニョゴニョ…月の悪がまた一つ消えて良かった…記憶も消しておいたし、ミーの正体がばれる心配も…でも次は掃除した方が良いのかなぁ?ゴニョゴニョ…」

隊長も嬉しそうだ。ゴニョゴニョ何かつぶやいている。
声が小さくて部下には良く聞こえなかった。さて、今日も仕事だ。

「隊長!!」
いきなり、バン!と部下が執務室に飛び込んで来た。
それに続き、物々しい王宮の従侍が入ってきた。そいつらが、仰々しい書状を見せ言った。

「左議長ウシワカ、王宮へ参られよ。貴殿には王妃との不義密通の疑いがかけられている!」

バーン!
昼下がりの執務室に、衝撃が走った。


『次回予告』

「貴様!それはホントか!?」
「王様!落ち着いて下さい!!」
「…イヒヒヒヒャ!これで奴もお終いだ!」
「この仮面は…ミーの宿命なのです」
「お兄様ーっ!!!」

(次回、第8話「王妃の涙」…お楽しみに!)

…すいませんただの悪ノリです。でもEDはウシワカマンがソロで笛を吹きます。今週の名シーンが流れたり。時折、白犬アマテラス(仮面つき)のカット入ったり。ちなみにこの話のサブタイは 第七話「今日は桃色」です。

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