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絵、時々文章なブログ(姉)

sungenのブログです。pixivデータ(主に文章)の保管用ブログ。オリジナルイラスト、小説がメイン。


sungen(pixiv genペア)のブログです。


アート、デザイン、漫画、イラスト、小説について語ったり、作品をアップロードしたりします。
漫画、絵、文章を書きます。二次創作は大神。
長編小説はヘッダのシリーズまとめから探すと楽です。







■箱舟ヤマト14 遺跡編① 青錆色の遺跡1 【大神】【長編】

この遺跡のモデルが分かった人はもしかしたら私と同年代かも…?

昔懐かしスーパーファミコンのゲームです。どうしてもこの遺跡を使いたかったので拝借させて もらいました。PS4と絶対に壊れないスーファミ(データの消えないソフト付き)が同じ値段で売っていたら多分スーファミ買います…。

 ■遺跡編① 青錆色の遺跡1

その遺跡は、東の森の木々に埋もれていた。


なるほど、様式は以前ミー達が住んでいた建物に似ている。
だが、かなり大きかった。

横幅だけで、あの建物の四、五倍はある。
外壁はハクバの言った通りにピカピカの青錆色…作られた当初はもっと輝いていたのだろう。時がたって少し錆が浮いて今の色に落ち着いた、といった感じか。
三階建てで、重厚な造りだ。
不思議な事に窓のガラスは割れていなかった。ただ土埃で汚れている。

建物を囲う外壁も崩れてはいなかった。
今日は風が強い。ガタガタと青白い窓枠が揺れる。
…一階には赤いカーテンが掛かっている。二階には緑色の物が。三階は青色だった。
殆どの部屋はカーテンを閉め切ってある。

ミーは一人、その屋敷の庭にいた。
羽衣は取られたままだ。

まず、屋敷の周りを歩いてみる。雑草が生い茂っている。
井戸の様な物がある。裏手には守兵が住んでいたらしい簡素な小屋。
裏には小さな門があった。
裏門から出たところには小川が流れている。
周りは山で、近くに大きな峡谷があった。

…入り口は正面だけか。
周辺を軽く歩き、また建物の正面に戻ってきた。
見たところ、崩れる心配は無さそうだ。

建物の正面入り口の青い扉…片方は傾いていた…それを光剣で壊し、中に入った。

…やはり広い。
入ってすぐは大広間だった。ミーの正面に大階段がある。
床は赤い。金色で縁取られた大きめの菱形のくりかえし模様だ。
壁は青錆色で建物と同じ素材。ミーは床をカツカツと歩く。
「?」
おかしい。
この建物はかなりの横幅があったはず。しかし、この大広間からは建物の左右へ進めない。
左右の壁に仕掛けもないし…。わざわざ上の階から降りるようになっているのか?

「ハァ…」
…本当にこの遺跡に幽門扉があるのだろうか?
…ついでにアマテラス君とのデートの下見をしておこう。
でも、どうやったら彼女と仲直り出来るのだろうか…。

ミーはそんな事を考えてため息をつきながら、とりあえず二階へと上がった。

階段を上りきったミーは、足元を見て、左右を見る。

階段は真ん中に踊り場があり、折り返すタイプだったので、ミーは今、外から見た建物の正面側を向いている。
床は緑色だった。模様は一階と同じで色違いだ。
二階はいくつもの部屋があるようだ。建物の正面側は全て廊下で、ミーが外から見た緑のカーテンが掛かっている。…カーテンと床の色と合わせてあるらしい。

細長い廊下へと歩き、カーテンをいくつか開けた。真っ暗だった遺跡に淡い光が差す。
窓枠は固定されていて、窓は開かない様だ。

廊下を歩き、部屋を数えてみた。
二階の部屋は全部で十三。
一つ一つの部屋の間隔はそれなりに広かった。一室が前のミーの部屋くらいか…。

そのうちいくつかは、扉が付いたごく普通の部屋だった。
適当に中を見ると、ベッドがあったり、机があったり、窓があったり。

しかし、扉も窓も無い部屋が五つあった。
そのうちの三部屋の中に階段があり、三階へと行けるようだ。階段のある部屋には扉がない。
位置は中央階段のある小広間を挟んで左側の二つ目の部屋と、三つ目の部屋。
同じく中央階段を挟み右側の一つ目の部屋だった。
先程登った中央階段と同じで途中で折り返すタイプの階段だった。
この建物は横がやたら長く、奥行もそれなりに広いが、廊下が一本、正面側にあるだけの簡単な造りなのだろう。

しかし…何故、わざわざ部屋の中に階段を作ろうと思ったのだろう…?
この壁はいらないんじゃないかなぁ…?
そんな事を思いつつ、ミーは探索を続ける。

残り二つの扉の無かった部屋は、右端と左端で、とりあえず他の部屋を調べつつまず右端の部屋に入ってみると…。

「アレ!」
アマテラス君の青錆色の像が立っていた!…といってもポーズはお座りだったが。
「へぇ。良く出来てるなぁ」
ミーは少し感心した。ミーの胸くらいの高さだ。
コレ、アマテラス君へのお土産に持って帰れないかなぁ?
ミーはとりあえず持ち上げようとしてみた。

カチ。

「えっ」
ミーは固まった。今、何かを押してしまった。
見ると、首の裏に、スイッチが付いていた。
この類いの仕掛けに良い思い出が無いミーは、少し浮いて辺りを警戒した。

「ふぅ…」
良かった。なにもおこらな

…なんだろう、この音は。

ザザーーーーッ!!!!!

「ワッツ!?」
ココでは無い。上の階だ!ミーは見上げた。
大量の水が流れ出す音がする。
「…」
ミーはまずい事をしてしまったようだ。

上の階…そこは一つの大広間だったのだが…に水が流れる仕掛けが作動してしまった様子がパッと見えた。…予言だ。

この階への影響は無いようだったが…。
上の階へ行くのが少し怖くなった。

とりあえず、目的は幽門扉だ。あればあったで良いし、無ければないで仕方無い。
だが…ハクバはそう言えば、地下かもしれないと言っていた。

…しかし、どうやって下に行くのだろう?

困っていると、三階の奥から水があふれ出て、同じく三階の手前に作られた大きな長方形の排水口へと流れ込み…一階の大広間の両側、そこを大量の水が流れ落ちる光景が見えた。
まあコレも予言だ。

まさか、三階の排水溝から落ちると地下に行けるとか…?
しかし、まるで滝の様な水の勢いだった。ゴーゴー鳴っていたし。
あそこを…下れというのか?

この遺跡、意外とやっかいかもしれない…。
まあ!今日は下見だし。そう自分に言い聞かせ、ミーは反対側の端へ向かった。

「ン?」
こちらにも像があった。天神族の女性。…アズミ?によく似ている…。
…下手に触らない方がいいだろう。行き詰まるまでは。
ミーは左側三番目部屋の階段から三階へと向かった…。

と、その前に。
他の階段も途中まで上ってみる。三階は一つしか部屋が無かったし。
やはり、行き着く先はあの水の流れる三階か。

ミーは三階へと進んだ。

■ ■ ■

三階は予言で見た通りの場所だった。

「うわぁあああーーーーーー!!」

案の定、ミーは流された。


ドズンっ!!

「あう……」
ミーは顔面から地面に落ちた。しばらく地味に悶絶する。
何とか起き上がり、周囲を見渡してみる。
ミーがいるのは地下のかなり広い空間…ここは洞窟なのだろうか?
その中心に浮かぶ長方形の陸地だった。

周りは中々深い水だ。
どうやら、ここがハクバの言っていた地下…。何の変哲も無い遺跡の下にこんな空間があるとは驚きだが…ここに幽門があるのか…?

ミーは周りを見渡して見る。
あ。向こう側の隅っこにも岸がある。その先には広い横穴が…。
きっとあそこだろう。

よし!飛んで行こう☆
ミーはズルをした。

バチィっ!!
「あうっ!!?」
ミーはコウモリ用の電線っぽいモノに引っかかった。
じゃぽん。
水に落っこちてしまった…。

「アレ?」
気がつくと、さっきの島に戻っていた。飛ぶのはルール違反だったようだ。
他に周りに行けそうな所は全く無い。


え…?



…どうやって上の階へ戻ればいいのだろう?




………詰んだ?



いいや。まさか。
さすがにそこまで鬼畜な遺跡では無いだろう。
ええっと、とりあえず上に飛んで戻ってみよう。

ミーは浮かび上がった。
「ヨシ!」
一階を抜けた。コレなら行ける!!二階を通り過ぎ。
あとは三階の排水口から…!

ザザーーーーッ!
「ええええーーーーーっ」
ダメだった。

ひるるーーー。
「ぎゃへほ!!」
ミーはまた顔面から落っこちた。また地味に悶絶する。
イタイ…!

「もう一回!」
ザザーーーーッ

ザザーーーーッ

ザザーーーーッ

試すこと何回か。ミーはさすがに青くなった。



そ、遭難してしまった…!?



■ ■ ■

それから二日が過ぎた。

水はある。しかし食料は…持ち物袋をかっさらって見たがあと二、三日分くらい…。
月の民は丈夫なのでしばらく食べなくて水だけでも死にはしない。
…だが、それにも限度がある。今のミーはもって…二月と言った所だった。

ミーは、空間を移動する術も使える。
しかし、あの術は屋外…というかぶっちゃけフィールド限定でダンジョンでは使えない。ここで使えないか試したがやっぱりダメだった。

こんなところで!?ミーは死ぬのか!

一体どうしてこんな事に。
そもそもミー一人でダンジョン攻略に出たのがまずかったのかも知れない。
月でも、いや、タカマガハラでもこんな鬼畜なダンジョンとか無かったし。
スサドのカラクリ屋敷でもっと特訓しておくべきだった…!

あ…そう言えば、誰にも言って出てこなかった…!!!
っ!コレはもうダメだ…。


よし、遺書を書こう。

ミーは持ち物袋から紙と筆を取り出した。

■ ■ ■


「あら。…そう言えば…、一昨日くらいから月の方を見かけませんね?」

気がついたのはアズミだった。ここは屋敷の居間だ。
アズミはお茶を飲んでくつろいでいた。
「ワウ?」
座布団に寝そべっていたアマテラスも首を傾げる。
興味無さそうにあくびをしているが…。
アズミは微笑んだ。
「ふふふ、アマテラス様ったら。…でも、何処に…?いつもの遺跡かしら…行ってみましょうか」

アズミはアマテラスと一緒に、ウシワカが研究の為に使っている遺跡に入った。
その遺跡は二階建てくらいで、元から何かの研究施設だったのだろう。いかにもソレっぽい造りになっている。
一階はウシワカの生活の場だ。
と言っても、簡易的な浴室、寝室の他、それほど使って居なさそうな調理場と物置として使っているような部屋くらいしかない。

「二階かしら?」
アズミとアマテラスは首を傾げつつ、階段を登った。
とりあえず、一番大きな研究室に入る。
そこはウシワカが色々な機械を直したり、運び込んだりして、それが稼働している。

幻灯機…というのだろうか?部屋の中心にあるそれから光が出ていて、部屋の至る所に画像や文字が浮いて映し出されている。
そのどれもに、月の言葉が分かるアズミには一応読めるものの、専門的過ぎて理解出来ない事が書いてあった。
ふと、机の上に見知った剣があった。これは方舟ヤマトの鍵だったはずだ。
『宝剣クトネシリカ…その組成は…』
机の上にも何か幻灯機で小さな文字が映し出されている。
そこは読めたが、後はよく分からない文字式や図形の羅列だった。

そのほかに、研究室から行ける小さな小部屋が幾つかある。
危険と書かれていたりするので、アズミは扉の小窓から確認したが、居ないようだった。
札も全て『空』となっている…。

「ここにはいらっしゃらないみたいですね」
アズミはつづらを開けて勝手に中身を頂戴していたアマテラスに言った。
「わう」

「天岩戸も見に行きましょう」
アズミはアマテラスに乗り、天岩戸へ訪れた。
洞窟を抜け、円形の空間に降り立つ。
「月の方ー?」
上を向いて呼んでみる。
そこには青白い光があるばかりだ。

「ワウ…?」
アマテラスはキョロキョロしている。
「いませんね…」

アズミとアマテラスは、周辺をぶらぶら探した後、結局見つからないので屋敷に戻ることにした。
屋敷に戻ったアズミとアマテラスは、とりあえずウシワカの部屋に行ってみた。

コンコン。
「お邪魔します」
アズミが少し開け、アマテラスが隙間からのぞき込む。
…ウシワカはいない。
この部屋は特に何か置いてあると言うわけでも無い。
机、寝台、鏡台…。しばらく使っていなかったので、どれも寂しい感じだ。
それに、一昨日は別として…彼は昨日も、ここには戻っていないようだった。
「やはり、出かけていらっしゃるのでしょうか…?」
「クゥーン」

アズミとアマテラスは最上階から、実は庭にも続いている外階段を使い、屋敷の庭に降りてきた。
「ハクバ、月の方がどこにお出かけされたか知らない?」
丁度ハクバが洗濯物を庭に干していたので聞いてみる。
「え?」
ハクバは首を傾げた。
「一昨日くらいから、何処にもいないのよ」
アズミは言った。
ウシワカとケンカ中のフリをしていたアマテラスも心配そうにしている。

ハクバが少し真剣な表情になって言った。
「…そう言えば。いないわね。…ここ何年か天岩戸に籠もりっぱなしだったから…てっきりまたそうだと思ってたわ。…天岩戸は見たの?」
「ワウ」
「ええ。さっき行ってきたんだけど。いつもの遺跡にも居ないし…何か心当たりはないかしら」
アズミがハクバに聞いた。
「まさか、ウシワカさん…!」
ハクバが真剣な表情でつぶやいた。
「心辺りがあるの?」


「慈母様とケンカしたのがショックで…自殺とか」


「えええっ!!」
「ワウ!?」
二人は飛び上がった。
「そんな、まさか!きっと何かあって帰って来られないのよ!!」
アズミがアセアセと言った。
「…ええっ!?それもまずいわよ…!」
ハクバが言った。
そして、うーんと、考えた。
「一昨日は居たのよね。アマテラス様とケンカする前…ええっと…何か言ってたかしら」

『月の方とアマテラス様がケンカした!?』

この一大ニュースは天神族を揺るがしたのだ。
天神族は皆必死で天岩戸に籠もってしまったアマテラスをなだめ、ウシワカは七千五百五十九回は土下座をして…。
何とか天岩戸をこじ開けたらアマテラスはぐっすり眠っていた。
そして、ウシワカの羽衣はそのままどこかに行ってしまった…。

あの日、彼は何か言っていただろうか?
別に何も言っていなかったような気がする。

「あ!もしかして…?幽門のある遺跡を探しに行ったのかしら?」
ハクバは奇跡的に思い出した。

「幽門って、幽門扉?」
「ええ。ウシワカさんに心当たりが無いか聞かれたの。もしかしたらその遺跡かも…」
ハクバは言った。

アズミは焦った。
「ちょっと、ハクバ、それ何処?場所は?」
今までウシワカがフラフラ出歩く事は何回もあった。
しかし、大抵アマテラスが一緒だったし、一人で出かけた時でも日をまたぐ事は無かった…。
何かイヤな予感がする。
見ると、ハクバは真っ青になっていた。手に持っていたシーツを落としている。

「…わからないの!ああ、どうしましょう!!東の森の方の、青い建物としか…!」
「…!!」
「ワゥ!?」
アズミとアマテラスは言葉を失った。

あの辺りの森は、深くて、地形も複雑なのだ…。

「行きましょう!!アマテラス様!」
「ワン!!」

「あ!うかつに…!」
ハクバが何かを言うのも聞かず、アズミとアマテラスは飛び出した…。

〈つづく〉

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