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■正義のヒーロー!ウシワカマン↑④  第1話『ヒーロー見参!!』【大神】【箱船ヤマト】【特撮パロ】

大神特撮パロ、遅れて来た第一話です。

ちなみに作中では彼は予言のヒーローと呼ばれてます。悪ノリはこれで終了。

いやー、一気にアップしましたけど改めて読むとぶっこみすぎ。

次回からまた普通の箱船ヤマトになります。今日はこのくらいにしておきます。

 ■正義のヒーロー!ウシワカマン↑④ 

第1話『ヒーロー見参!!』


月。
それは約五十億人の月の民が住まう國…。
人はここを当然だが月と呼んでいる…。


「グッモーニン、ウシワカ!遅刻するよ!」
朝日が差し込む部屋で、ある美形のおじさんが、もぞもぞとシーツにくるまっている人を揺すった。
「うーん、ここは平和なタカマガハラ…、ミーは今日も…、アズミ…?ハクバ…?」
どうやら青年らしい。何か寝言をブツブツと呟いている。
「今日は初出勤だったろう」

「あっ!!そうだ!!」
青年はがばりと起き上がった。
そして慌ただしく準備を始める。
「やれやれ…」
おじさんが部屋の外で苦笑する。

ガチャリ。

「おはよう、ミスター」
打って変わって、一部のスキも無い完璧な装いのウシワカが涼しげに現れた。
「しかし、君がまさか王宮に行くことになるとは…感慨深いなぁ…」
そしてテーブルに着き、朝食を食べつつ、おじさん、ことミスターはニコニコと言った。

この青年、名をウシワカという。
無駄に美形で長髪な事を除けば、どこにでも居そうな月の民だ。
彼はとある事情により、落ちぶれた貴族であるミスター菅原に引き取られ生活をしていた。

だが、それも今日まで。
彼はこれから首都、王宮へと旅立ち、やたらと良い頭を生かした立派な職に就くのだ。
といっても、月社会の競争は激しく…さらに貴族が政治をほしいままにしている。
その為、平民出身のウシワカはかなりスタートからして不利だった。
しかし彼は持ち前の明るさと正義感?で何とか頑張る心づもりであった…。

「と言っても、今日からしばらくは地方で研修だよ。結構キツイらしいから」
ウシワカが言った。
「ああ、あの地獄の新人研修か」
ミスターが笑う。
「?ミスター、知って居るのかい?」
ウシワカが不思議そうにする。ウシワカはどんな内容かは詳しく聞かされていなかった。
「あ、いや、噂で聞いただけだよ」
ウシワカは思う。自分の養父、彼は不思議な人だ…。彼の仕事はしがない街の、しがない教師だ。
しかし、色々怪しげな部分がある。って言うか格好が思いっきり官服だし。

「まあ、それはそうと、ウシワカ、君に渡しておくものがある。開けてみて」
そう言って、彼はなにやら細長い包みをテーブルの上に置いた。
「何かな…?」
ウシワカは包みを開き首を傾げた。

「笛…??」
「これは、君のお母さんの形見だよ」
ミスターが言った。
「…!ミーのマザーの…!?」
ウシワカはその笛を眺めた。ウシワカの両親は、ウシワカが幼い頃に事故に逢い死亡したと聞かされていた。
月ではそんな事があると、親戚中が遺産を巡って骨肉の争いを繰り広げる…。
そして一人放り出され、劣悪な環境の保護施設を転々としていたウシワカを救ったのが、自称両親の友人であるこのミチザネだった。

「…ミスター、これで最後だ。…ミーのペアレンツはどんな人達だった…?」
ウシワカは何度か自分の両親の事について尋ねたり、自分で調べようとしたりした。
しかし、ミチザネは何も語らず、成長したウシワカ自身が調べた自己の出生にまつわるデータはことごとく消えていた…。
悪い親類?により、全ての財産は消えて。自分も、自分の両親も元からいなかった事にされていたのだ。そいつらも本当に親類かは怪しい。

思わずウシワカの目に涙が溜まる。

…形見などという物は、たった今初めて見た。写真さえ見当たらなかったのだ…。
今ではウシワカは、元から捨て子だったという事になっている。
その事実は彼を打ちのめした。っていうか真面目に仕事しろ月官吏
と言う訳で、彼は魔窟と言われる王宮を目指す気になったのだった。

幸いウシワカは大変頭が良く、悶絶難関と言われる試験とか色々を何とか自分の力でパスする事が出来た。そのおかげで友達はいなくなってしまったが。

「ウシワカ、君は予見の力を持っている…、それはこの國では隠さなければいけない」
ミチザネが言った。
「分かっているよ」
ウシワカは涙をぬぐって言った。

ウシワカには生まれ付き未来の出来事が見えるという、不思議な力があった。
それだけで無く、神通力と呼ばれるある種の超能力も持っていた。
…そのせいでうっかりしがちな幼い頃は虐められたり、気味悪がられたりした。

神通力に関しては修行をし、殆ど制御ができるようになった。
しかし制御不能な予言の力は日増しに強くなって来ている…。不安はつきない。

「…、ミーは頑張るよ。ユーも体には気を付けて」
しかしウシワカ顔を上げ。笛を手にして笑った。

「うしわかぁああーーー!」
さっきから涙ぐんでいたミスターはついに泣き出した。
「ハンカチもった!?ちり紙は、鉛筆、着替え、カロリーメイト!行かないで!」
「全部持ったよ!ああもう手紙書くから!シーユー!!」
ウシワカは逃げるようにバタバタと家を出て行った。

『…ウシワカ…、本当に困った時は、この笛を吹きなさい』
「ってミスターはシリアスに言ってたけど…、まあ、良いか」
ウシワカは懐に笛を入れた。

そしてウシワカは満員電車を乗り継ぎ、きちんと余裕を持って研修会場にたどり着いた。
途中で白い大きな犬がホームにハンカチを落として困っていたので、駅員さんを呼んであげたりもした。
月ではうっかりはする方が悪いといった感じなのだが、ウシワカは希な例外だった。


…そんなこんなでウシワカは目的地に到着した。
しかし。そこにあったのはどう見てもお化けが出そうな廃寺だった。

「ふう、ミーが一番乗りだね。えっと…、あ、受付だ」

一応、無人機械で受け付けを済ませ、しばらく控えらしいオンボロな部屋で笛のメンテをしていると、他の者達がゾロゾロとやって来た。

「なぁ、本当にこんなトコで研修するのか?」
「うーん、でも…受付はあったよな」
口々に言い合っている。

その様子をみた勘の良いウシワカは何かピンと来た。
これは、まさか…!

その時。
『ワハハアハーー!!諸君!!』
部屋全体に声が大声が響き渡る。

声はすれども姿は見えず!何者だ!?

「…っ、あったぞ!」
一人がスピーカーを見つけ皆がソレを囲む。

『残念だったな!この研修会場は実はトラップだ。ハンター試験は厳しいのだ!』
ハンター試験!それは大変だ!
「じゃなくて。どういうことだい!?」
代表でウシワカが叫んだ。

『私に賄賂を渡した金持ち貴族以外は皆必要無い!…おっと今のは忘れてくれ!とにかく諸君はクビだ!仮に正しい会場にたどり着いたとしてもな…!ワハハアハーー!!ハハハ…!』

だんだんボリュームが下がり、ブツリと接続が切れた音がした。

「「そんなー!もう駄目だー!」」
皆の叫びがこだまする。

何故かは全く分からないがウシワカ達はクビになってしまった!
恐ろしきや月社会!

「コレはこまったね…」
ウシワカは他の皆を見回した。きっと皆、大変な苦労を重ねあの試験をパスした逸材だろう。良く見ると、あまり儲かって無さそうな貴族の端くれっぽい者もいる…。

「ヨシ!ミーが何とかするよ!」
ウシワカはいきなり請け負った!
「えっ!!?」
皆が唖然と彼を見上げた…。

ウシワカはパン、パン、と手を叩く。

「さあ!もうこんなトコには居られない。とりあえず皆で正しい会場を探そう。そうすれば後はミーが何とかする。そうだね、ユーとユーはミーに付いてきて。残りは…」
ウシワカはてきぱきと方針を打ち出した。
もちろん彼なりの勝算があってのことだ。…多分。

「はいっ!行くぞ!皆!」
「ラジャー!隊長!」
地獄に仏、頼もしいと言うか、多少ハッタリも入っている気がするが、皆ノリが良かったのでウシワカに従った。彼の事はこれから隊長と呼ぼう!

皆が廃寺から駆け出そうとする。しかし!

「うわぁあーーーー!??」
一人の悲鳴が聞こえた。
「!?」
残った二人の隊員に指示を出そうとしていたウシワカは慌てて外に駆け出した。
「あ、あれは!!?」
そのうち一人が異様な光景に息を呑んだ!!

『ケシュャー!!!』『ケシュャー!!』×20
よく分からない怪人が沢山、よく分からない紫の霧の中で皆に襲いかかっている!

「オイ、しっかりしろ!」
一人が倒れた者を抱き起こす。…良かった!気絶しているだけだ。
「何だ、お前等は!っ、ぐぁあっ!」
『ケシュャー!!』
もう一人が言ったが、ケッシャー(命名)に倒されてしまった。

…そして最後に残った一人もウシワカを庇い、倒れる。
「た、隊長…!貴方の元で働きたかった…ガクリ」
「皆…!っーー!ユー達!何てことを!!折角フレンズが出来たかも知れないのに!!」

ウシワカは完璧な私怨を晴らす為に立ち上がる…!!

バリーン!!

「ぐぁ!」
しかし敵は何らかの火薬っぽい打撃を放ち、ウシワカは吹き飛ばされて木に叩き付けられてしまった!…どこかSEが間違っていた気もするがウシワカはそれどころでは無い。

コレは絶体絶命だ!万事休すか!?

カラーン。

その時、ウシワカの懐から一本の笛が転がり落ちる。
『ウシワカ…困ったらこの笛を吹け…そして天の助けを呼べ…!』
そうだ、この笛!
今朝とはどうもセリフの録りが違う気がするが、ウシワカはミチザネの言葉を思い出した!

「ミーはこの笛に全てを掛ける!プリーズ!マイマザー!!」
変なところで他力本願なウシワカはその笛を吹いた!

ぴろろ~ぴろろーーーー!!

涼やかな笛の音が辺りに響き渡る!!そして!

「ワン!!!」
どこからともなく、出番を伺っていたらしい犬が、画面一杯に飛び出して来た!

「…ワッツ!?ユーは今朝あの駅で会った?」
ウシワカはあっけにとられた。そう、その犬は今朝ウシワカが駅で助けた白犬だった!
しかし、今朝とは違い金色の仮面を被り、そしてソレと同じモノを口にくわえている…。

その仮面を見たウシワカにはバチリという衝撃と共に、未来が見えた!!
ウシワカがグラリと衝撃に膝を突く。

「…っ!!…見えたよ!ミーの使命が、宿命が!!白犬アマテラス!…行くよ!!」
「ワン!」

「変身だ!!!!!」

ウシワカがその仮面を身につけた途端、辺りはまばゆい光に包まれた…。


『ケシャー?』
『ケシャ!』

ウシワカが突然消えた!!その事実はケッシャー達を混乱に陥れた。
しかし。

ぴろろ~!
「ハァッ!!」
かけ声と共に、空から降ってきた陰がケシャーを次々になぎ倒す!

「ミーはやったよ!アーッハハハハ!!」
そしてあっと言う間に、全てのケッシャーを片付けたその人物は、悪役っぽい高笑いをした。

「う…、うう…?」
足元を見ると、気絶していた仲間が起き上がる所だった。

「おっと、ヒーローの活躍は三分だったね。アマテラス君」
「ワン!」
その人物は傍らの白犬を撫でる。

その謎の人物は、高下駄を履いて、鳥のような羽衣をかぶり、目元を金色の仮面で隠して、
…そして、小指をぴんと立てていた。

「次回までに、カッコイイ決めゼリフを考えて置かないと、アハハ!」

(…あの小指は…?)
薄目をぼんやりと開いた仲間達の記憶には、その小指だけが深い印象として刻まれた…。


予言のヒーロー、ウシワカマン↑!
その存在は、今はまだ誰も知らない…。

〈おわり〉


■エピローグ

「うう…どうしてこんな事に…」
「帰りたいよー」
ココはどうやら敵の本拠地。
いつの間にか他のダミー会場も本会場も、謎の怪人に襲われ。ピチピチの新米官吏達は皆囚われてしまった…特に本会場に行った者達は折角多額の賄賂を渡したのにと項垂れていた。

「皆、大丈夫かい」
ガラリとドアが開き、そこから誰かが入って来た。
その人物こそ、我らがウシワカ!…では無く!

「貴方は…?」
「何、しがない官吏の一人だよ」
なんと、ミチザネだった。
彼は月の王宮に勤める官吏だったのだ!

全てが終わり、賄賂を受け取っていた悪代官はお縄になった。
もちろん新米達はミチザネの計らいでクビにはならなかった。

「それにしても、奴等は一体何だったんだろう…」
正しい研修会場に着いたウシワカの仲間達は首を傾げた。
「アハハ、アマテラス君、お手!」
「ワゥ」
そして…いつの間にか可愛い白犬が隊長に懐いている。
ウシワカによると。
もう駄目かと思ったその時…!
今朝、困っていたところを助けてあげた白犬が、突如現れてバッタバッタと敵をなぎ倒してくれたのだという。情けは人の為ならず。だね!とウシワカは笑っていた。
…なるほどそれなら納得だ。白犬は非常に義理堅いことで有名だし。

そして皆は予定通りにウシワカと別れ、本会場を突き止めた。しかしそこはもぬけのカラ。
監視カメラの映像を見たところ、どうやら皆連れ去られたらしかった。

「でも隊長、せっかく首都名物のうさぎレースで全員分の賄賂を稼いだのに、無駄になってしまいましたね」
ウシワカに付いて行った者が残念そうに言った。
「アハハ、月の官吏にもきちんと仕事の出来るメンがいて良かったなぁ」
ウシワカは笑っているが、その金儲けの手並みな見事なものだったらしい。
『まるで未来が見えているみたいだった!』
彼等二人は興奮してそう語っていた。
「よし、じゃあ、コレはユーにあげる」
と、ウシワカはあっさりその内の一人にその当たり券を全て渡した。
「えっ…?」
その者が戸惑う。

「いや…ユーのシスターに、かなぁ?」
ウシワカが意味深に微笑んで言った。

「…た、隊長…!!良いんですか!!?やった!コレで手術が出来る!!うぁー…(涙)!」
その者は泣きながら飛び跳ねた。
聞くと超絶難病を患っていた妹が居たらしい。
「うぉぉ、…よかったなぁ!!」
実はその者の旧友でかねてより心配していたもう一人も、その者の肩を叩いて一緒に泣きつつ喜んだ。
しかしまさか、ウシワカはソレすら見越して…!?
「アハハ、うわ、アマテラス君!ヨダレはノーサンキュー!」
「ワン!」
しかしウシワカはただ笑い、白犬と泥にまみれて遊んでいるだけだった。

めでたし、めでたし

「あのー、忘れてると思うけど、研修あるから」

「「あっ…」」
官吏の言葉に、その場の空気が固まった。

〈おわり☆〉

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