絵、時々文章なブログ(姉)

sungenのブログです。pixivデータ(主に文章)の保管用ブログ。オリジナルイラスト、小説がメイン。


sungen(pixiv genペア)のブログです。


アート、デザイン、漫画、イラスト、小説について語ったり、作品をアップロードしたりします。
漫画、絵、文章を書きます。二次創作は大神。
長編小説はヘッダのシリーズまとめから探すと楽です。







■箱舟ヤマト29 平原 【大神】【長編】

平原にて。オロチ襲来前。いつも閲覧ありがとうございます!

 

■箱舟ヤマト29 平原


心地よい風が吹く。見上げると真っ青な空がある。
アマテラス君の毛みたいに真っ白な雲が浮いている。
足下には色とりどりの花をつけた草花が揺れている。

タカマガハラに来て。もう何十年たったのだろう。
ここはもはやミーの故郷だった。

戦い続ける日々にもすっかり慣れてしまった。
今日は皆にたまには休めと言われて、それならばと、ここに来た。
でもまたすぐに、帰らなければ。

「アマテラス君」
少し遠くで黄色い蝶々を追いかけていたアマテラス君を呼んだ。
「ワウ!」
アマテラス君は返事はしたモノの、結局蝶々に気を取られて。
またフラフラと走り回っている。
「アハハ…」
ミーは仕方が無いので、草の上にぽてんと寝転んだ。
土と草の匂いがする。今は春だ。
葉っぱを撫でてみる。…こんなものさえ、愛おしい。

「ワン!」
気がついたら、アマテラス君がミーの側でしっぽを振っていた。
顔をぺろぺろなめられた。
ミーはいつものセリフを言った。
「コラコラ、ヨダレはノーサンキュー、もう!アハハ!」
結局、くすぐったくって、ミーは笑い出してしまった。

こんな日が、もうすぐ無くなってしまうかも知れない。
ヤマタノオロチ
予言の日は近い。…この年の夏には。

「アマテラス君…もうすぐ、戦争だ」
寝転んだまま、空を見上げミーは言った。

タカマガハラに存在したその言葉。
…おそらく、この土地は今までにも危機にさらされた事があったのだ。
その度に、彼女が一人で戦って。皆を守り抜いて来たのだ。

ミーは、ここに来て良かったのだろうか?
ミーは、ここにいて良いのだろうか?
オロチの襲来を予見してから、何百回、何千回と、自分に問いかけた。
しかし、予言は絶対だ。…すでに敵襲は決まっている。
なら、ミー達は戦うしかない。

「アマテラス君!」
「ワウ?」
アマテラス君は首を傾げた。
ミーは立ち上がった。

「ミーと遊ぼう!ユーが勝ったら…思いっきり、舐めても良いよ!」
ミーは笑った。
「…ワン!!」
アマテラス君が、俄然やる気になった。
…ユーってば、全く、一体何のこだわりなのだろう?
ミーはいつもヨダレはノーサンキューだって、言ってるのになぁ!

しっぽをクルクル回して、唯我独尊の数珠まで装備して。

「フフフ、最近は引き分けばかりだしね。…ミーも本気で行かせてもらうよ!」
ミーは光剣を抜き放つ。刀を抜き、踊るように構える。
これは、遊びなのだから。…派手にやろう!
この大地が、びっくりするくらい!

「レッツロック、ベィビィ!」
笑って、ミーは言う。

平原に、アマテラス君の鳴き声が響いた。

〈おわり〉

広告を非表示にする