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絵、時々文章なブログ(姉)

sungenのブログです。pixivデータ(主に文章)の保管用ブログ。オリジナルイラスト、小説がメイン。


sungen(pixiv genペア)のブログです。


アート、デザイン、漫画、イラスト、小説について語ったり、作品をアップロードしたりします。
漫画、絵、文章を書きます。二次創作は大神。
長編小説はヘッダのシリーズまとめから探すと楽です。







■箱舟ヤマト31 作戦会議(後編)【大神】【長編】

ええと…間が空いてしまった。前回何やってたっけ?ああ、そうそう。

前回の結論『勝てる気がしないけど頑張る』(大体そんな感じ)

分けちゃいました。短いです。原点回帰、それが一番。色々建物試したけど、やっぱ一番初めの建物がいいですね。ほぼ無理矢理オロチ襲来を夏にしましたが、夏にオロチが来たら暑くて大変ですよねー…。まあ、驚きの冷夏って事で。

 

■箱舟ヤマト 作戦会議(後編)


「あ、そうだ」
ヤマトからの帰り。ミーは思い立ち、道をそれた。

「ワゥ?」
アマテラス君は、こっちじゃないの?と言う感じにしつつ、ミーの後ろをパタパタと歩いてくる。

アマテラス君がミーに追いつき、ミーを見上げる。
その可愛さにめまいを起こしながらミーは、アマテラス君に言った。

「アマテラス君。久しぶりに、あの建物に行ってみようか…」
ミーは指さした。
ミー達の進む道の先には懐かしの、青い屋根の建物がある。
「ワゥ!」
アマテラス君も賛成のようだ。
ワンワンと飛びはねて喜ぶ。

かつてミーがここに降り立った時に、ぽつんとあった白い壁の建物を、ミーとスサドはまた新しく建て直した。

ミーとアマテラス君とあそこに居た四人は、現在は街にそれぞれ家があるので、今はあの建物はハクバが週一回お料理教室を開いたり、おじいさん達が庭で盆栽の品評会を開いたりと言う…、要するに公民館的な建物として使われている。

ここへ来て初めて泊まったからか、アマテラス君と初同室だったからか…ミーはやっぱりあの建物に特別な愛着があって、時たま顔を出していたりする。

道なりに行くと、建物が見える。

アズミの書庫は本が大量すぎるため手を付けられておらず、昔のままだ。
今日は借りたい本も無いので通り過ぎ、ミー達は建物に入る。

「あれ、ユー達?」
入って直ぐ、一階のテーブル。
皆で朝食を食べたりしていた場所。

「…あ。月のお方」
そこにスサドがいた。
「…あ、ウシワカさん?」
ハクバも居た。
「えっと、ウシワカ!…たん、様!じゃなくて月の方」
アズミも目をそらした。
この流れで行くと。マルコも?
「あ、マルコは厠です」
スサドが言った。一応いるらしい。

「…って、ユー達どうしたんだい?」
ミーは首を傾げた。
アマテラス君も首を傾げている。
「(慈母様、予定と違いますよ…!!)」
ハクバが何やらアセアセと寄ってきて、アマテラス君に耳打ちする。

「あ、そうか。今からか」
ミーは呟いた。
先程見た光景、主要天神族がこの建物の何処かの部屋に集まって、ヒソヒソ話す…。
そうか、あれは今から起こる出来事…。
気になってこの建物に来てしまったが、要するに、ミーが居ては不味いのだろう。

「じゃあ、ミーはそろそろ行こうかな…」
少しシュンとしつつ、ミーは帰る事にした。

「おや、慈母様、ウシワカ殿」
ちょうどその時、二階からマルコが下りて来た。
「ああ、マルコ。久しぶり」

「丁度良かった」
マルコはそう言った。
「?」
ミーは首を傾げた。

「あ、そうです。ウシワカさん、後でウシワカさんを探しに行こうと思ったんですけど。あ、どうぞ座って下さい。今お茶入れます」
ハクバも笑って、ミーに席を勧めた。

「?サンキュー。ミーに何か用だったのかい?」
ミーはとりあえず定位置に座って聞いた。
アマテラス君もお決まりの位置、テーブルの下をくぐり、スサドの足元でおやつを貰って食べている。

そして、マルコも座り。
代表でアズミが口を開く。
「実は…またここに戻って暮らすのもいいかもって、今丁度皆で話し合ってたんです。アマテラス様と月の方もご一緒に戻られてはどうですか?」

「…!!、それは良い考えだ!」
ミーは少し驚いたが、すぐに同意した。

オロチの襲来まで残された時間は、あとわずか。
皆言わないが、不安なのだろう。

「あ、サンキュ」
パンケーキがミーの前に置かれる。
「善は急げ、って事で。私達は皆に手伝って貰ってもう荷物を運んだんです。今夜からこちらに戻ります」
お茶を入れつつ、ハクバが笑って言った。

「夕飯は何にする?たまには豪華な物がいいよね」
スサドがハクバに話掛ける。
「そうねー、カレーかしら?」
「え、また?うーん…シチューはどうかな」
スサドが提案する。

「月の方も、夕飯ご一緒に。ふふ。アマテラス様、この感じ、懐かしいですね」
「ワン!」
アマテラス君をアズミが撫で撫でする。

「オーケー、じゃあそうしよう。とりあえず、必要な物だけ今から取ってこようかな。ええと、浴衣と歯ブラシがあれば…、ふふ、フフフ!!アハハ!今夜からまたアマテラス君と!」
ミーは喜びを抑えきれずにハートを出したが、アマテラス君には無視された。

そして気が付けばアマテラス君が、テーブルの下でミーのパンケーキを欲しそうにしている。
ご機嫌なミーは、もちろん笑って差し上げた。

きっと策士アマテラス君が、散々泣き暮らしていたミーの為に色々気を回してくれたに違いない。色々想像を巡らすが、一心不乱に食すアマテラス君の考えは分からない。

皆と、またここで暮らす。

オロチと戦って、絶対に勝って、そしてまた…。

「わ!?ヨダレ!?」
アマテラス君がいきなりミーに飛びついてきた。


■ ■ ■


カレーでも無くシチューでも無く、夕飯のすき焼きをお腹いっぱい食べ。
ミーとアマテラス君は、湯浴みを終えて主寝室へ戻ってきた。
「アハハハハ!」
「ワウ!!」
ばふ、と寝台に飛び込み、じゃれ合う。

「アハ!コラコラ!ヨシヨシ~!」
やっぱり犬…じゃなくて、アマテラス君は最高だ!

ミーは寝台に横になって、アマテラス君をぎゅう、と抱きしめる。
アマテラス君はもう眠そうだ。
ミーも今日はもう寝ようか…。あ、仕事があと一つ残ってたっけ。

仕方無く起き上がり、机に向かい、大した物では無いのでさくっと片付ける。
アマテラス君は布団の上で丸まっている。

今日は久しぶりに、色々な事があった。

その中で、ミーは建物での皆の反応を思い出し首を傾げた。
アズミ達はミーが突然来たので、驚いて居た。
…今日のような事はたまにある。

彼等の予定にはミーの登場は無かったらしい。…彼等には予言の力は無いので驚くのは当然だ。

一方のミーの目にだけ、これから起こる未来の出来事が見える。
予言者とはそういう物だし、それは仕方無い。

…だが、何と言えばいいのだろうか?
いつもミーの行動は、予見の結果にあまり影響しないような…?
結果と言うか、これから起こる未来だけど。

昼間、ミーがヤマトで予見した光景には、マルコと、その他三十名ほどの天神族たちがいた。

そのマルコが二階から降りてきたと言うことは…。多分、予見した光景はミーが現れるその直前にあったっぽい。皆が、まだ上の階に身を潜めていた気配も感じた。
そしておそらく、ミーが荷物を取りに居なくなった後で解散したのだろう。

ミーは今まで、散々この力を自らの意志でコントロールしようと試み、結局出来なかった。
一体、何を基準に、ミーに与えられたこの力にスイッチが入るのだろうか…。

だが。この力は、…もしかしたら。

ある結論に達しようとしたミーと、ベッドで丸まっていたアマテラス君は、ふと顔を上げた。

歌声が聞こえる。

「…!」
ミーは笛を取り出し、ベランダに出た。

その夜、久々にミーはぐっすり眠れた。

〈おわり〉

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