絵、時々文章なブログ(姉)

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■風(クサナギ村) 【大神】【短編】

ゲーム以前はどんな感じだったんでしょう。犬士達の名前が無いのは漢字が変換出来なかったからです。なんてことだ…!

短いです。

 

■風  

 

神風の吹く村、クサナギ村。
その出店に一人の男性が買い物に来た。

「あら、ヤツフサ様、お買い物ですか?」
近くで井戸端会議をしていたおばちゃんが、クサナギ村の神主を目に留めた。
「ええ、妻に」
ヤツフサはにかむように微笑む。

「お帰りなさいませ」
笑顔のフセ姫と犬士達がヤツフサを出迎える。
フセ姫は旅装束に身を包んでいる。
「ほら、旅のお守りを買って来たよ」
「まあ、ありがとうございます!」
フセ姫が喜んだ。
「ヤツフサ様もご一緒出来たら良いのですが…」
だが、少し寂しそうにする。
「私達は留守を守るから、行ってきなさい」
「はい!きっと良いお土産を買って参りますわ、…いいですか、ヤツフサ様の言うことをよく聞くのですよ」
「「ワン!」」
言われた犬士達が頷く。

「お前達、姫を頼んだぞ」
ヤツフサの激励に、フセ姫の供が頷く。
「ワン!」「キャン!」

ヤツフサがフセ姫を見送る。
微笑んで。
フセ姫は、笹部郷へと旅立った…。

「…、か」
鳥のような男が一人、その光景を鳥居の影に隠れて見ていた。
ヤツフサが影に気がつく。

「ウシワカ殿」
「…」

彼に会うのは予言をいただいて以来だ。
…この村にはもう来ないと思っていた。

神風が吹き、ヤツフサは空を見上げる。
再び影を見ると、その若者はかき消えていた。



時は過ぎ。

クサナギ村にようやくの平穏が訪れた。
アマテラスとイッスンが、フセ姫を訪う。

フセ姫は庭に出て、今日も犬士達の特訓をしているようだ。
「あら、デコボコ隊のお二人ではありませんか!」

「フセ姫の姉ちゃん、変わりはねェか!」
イッスンが、ピョンピョン跳ねて言う。
「ええ。おかげさまで、犬士達も皆息災にしております。村にも活気が戻って参りましたわ」
フセ姫は嬉しそうに笑った。後ろでは犬士達がのびている。
「そうかィ!」
「ワウ!」

涼やかな風が吹く。
「神風、かァ!アマ公、気持ちいいなぁ!」
「ワン」
アマテラスも目を細める。

しばらく、三人は無言で佇んだ。

「…プフフ。風が名物になっちまうなんて、この村だけだなァ」
イッスンが笑って言う。
「フフフ、そうですね」
フセ姫も笑う。

「デコボコ隊のお二人、これを」
フセ姫が懐から、藍色の絹地に包まれた何か取り出す。
両手に乗せ、丁寧に差し出す。
包みをハラリと開く。
「…お守り?」
「…ええ。道中、お気をつけて」
デコボコ隊は嵐のように去っていった。

「…あら?」
フセ姫がその影に気がついたのは偶然だった。

…鳥でしょう、きっと。

風に乗って、飛び立つ音がした。

〈おわり〉

 

 

 

 

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