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絵、時々文章なブログ(姉)

sungenのブログです。pixivデータ(主に文章)の保管用ブログ。オリジナルイラスト、小説がメイン。


sungen(pixiv genペア)のブログです。


アート、デザイン、漫画、イラスト、小説について語ったり、作品をアップロードしたりします。
漫画、絵、文章を書きます。二次創作は大神。
長編小説はヘッダのシリーズまとめから探すと楽です。







■ナカツクニ短編 ウシワカ料理店 【大神】【短編】

いろいろ失敗した話です。

もうどうにでもなれー☆と初蔵出し。

(あまりにもオチが適当だったので、ずっとマイピク限定公開、則ちお蔵入り状態でした)

※キャラ崩壊注意!みんな…特にウシワカがどうしようも無いアホです。

 

■ウシワカ料理店■

「…なんでィ、コレは」
イッスンは唖然とした。
「わう…」
アマテラスも呆然としている。
二人は今、明月館の入り口にいる。いや、…来たはずだった。
しかし看板にはでかでかと、ウシワカ料理店…、ウシワカ料理店と書いてある!
(大事な事なので二回言いました)
「…どうも場所間違えたみてぇだなァ…帰るか」
「ワン…」
アマテラスはきびすを返した。地上で昼寝でもしよう。
入る前にアマ公が気づいて良かった。これぞ大神の力。ポアッとしててもやるときはやるのだ。

「何処にいくのかなぁ?」
しかし、時すでに遅し。正面に凄く嬉しそうなウシワカが立っていた。
これは詰んだ…。イッスンは死を覚悟した。

「アハハハ!!ウェルカム!アマテラス君!イッスン君!」
超ご機嫌のウシワカがそう言った。
イッスン君!?
当のイッスンは震え上がった。
「…どうする気でィ、まさかオイラ達を煮て食う気か!?」
「ノー!何を言っているんだい?イッスン君!今日はいい野菜が手に入ったから、是非ユー達にミーの手料理を振る舞おうと思ってね!こうした訳だよ!」
ウシワカはすごく嬉しそうにキラキラクルクルした。
そう言えば、何時もの格好に前掛けを着け、袖を紐でたすき掛けにしている。頭には三角巾だ。
「さあ、そこにシッダン!プリーズ!」
そう言って、普段はない大きなテーブルを指さした。
「座れって事かァ…アマ公用の長椅子まであらァ…」
「くうん…」

「ウェイトプリーズ!今丁度出来たトコだ」
そう言って、ウシワカは奥に消えていった。
逃げるなら、今だ。
しかし、カモノが見張りに付いている。イッスンは一応聞いてみた。
「おい、あいつ料理できんのか…?」
もし意外と大丈夫なら、ありがたくいただけば良い。ヨダレを垂らすアマテラスを見てイッスンは言った。
「出来るわけ無いでしょう。他の隊員達は医者送りになりました」
カモノの答えは非情だった。
「…まあ、そうだよなァ…アレ?おめぇは食わなかったのか?」
「私は…実はアベノに自分の分をあげていたんです」
欲しそうにしていたものですから。とカモノは言った。
情けは人の為成らず。
結果的にカモノは難を逃れたのだという。

「おまたせ!」
「げっ!しまった」
そうこうしている内に、ウシワカが料理を運んできた。
なにやら銀色のフタがかぶせてある。
「…?料理は」
イッスンは初めて見る様式に戸惑った。
「ああ、コレの中だよ。ホラ!」
じゃーん!!と、ウシワカがフタを取る。

「ナスとトマトのグラタンだよ!!」

イッスンは、初めて聞く響きにゴクリとつばを飲み込んだ。
なにやら黄色い食べ物だ。ナスと、あと赤い野菜らしき物が入っている。
熱々な感じで湯気が立っている。
「おいコレ、食えるのか…?においは…?まあ悪かねェけど、変わってる」
「ああ、一応舶来の料理だからね。…感想を聞かせて欲しいなぁ」
そうもじもじする。うん、キモい。

「フフフ、アマテラス君、まて!」
出自は分かった。匂いも悪くない。アマテラスは食べる気満々だ。しつけなのか待たされてヨダレを垂らしている。
だが、コレは殺人料理だ。
イッスンは真実を言ってやる事にした。
「おい…実はお前の料理…ん?どした?…兄サン?」
しかしふと、カモノを見ると、驚愕に打ち震えている。
「たッ、隊長…この料理、どうされたんですか!?まさか貴方が!?」
「?そうだよ」
ウシワカは首を傾げる。
「昨日と全然違うじゃ無いですか!こんな、まともな…」

「昨日は、何か入っている野菜がオギャーという叫び声を上げていましたよ!色はタタリ場のようでBGMも付ていました!マカロニの代わりに竹細工が入っていたのは私の見間違えでは無かったはずです!野良猫の餌場の方がまだマシな臭いでした!」
カモノは珍しく叫んだ。

「お前ら、よくそんなもん食ったなぁ…」
正確にはカモノは食べていないが…ソレが本当なら、陰特隊はとんでもない恐怖組織だ。
しかし、ウシワカはしれっと言った。
「あれ?そうだっけ…?でも味は悪く無かったよ」
「…味見、したのですか!?」
カモノがウシワカに駆け寄る。がしっと腕をつかんだ。
「何だい?カモノ君」

「隊長、医者へ行きましょう…!貴方は丈夫だから毒が回るのが遅いのかもしれない!」

イッスンはビビッた。そんなにか。これ、やっぱ止めた方が…。
「??ワッツ?何の話だい…?」
ウシワカは訳が分からなさそうだ。
が、その時。
「!」
アマテラスがぱくり、とグラタンをほおばった。

「わん!」
「あっ、アマテラス君!おいしいかい?」
ウシワカはそちらに駆け寄ってしまった。
「ワン!」
「フフフ、ウェイトって言ったのに…。まあ、いいか。おかわりを取ってくる」
嬉しそうに奥へと消えていく。

「…アマ公、旨いのかァ?」
「ワフ!」
どうやら、見た目の通りに食べられるものだったらしい。
「…なぜ、なのでしょう?昨日はあんなに…」
カモノが信じられない、と言った様子で言う。
「…うーん、野郎に聞いてみるか。もしかしたら奥で別の奴が作ってるのかも…?」

そうこうしている間に、ウシワカが台車で料理を運んできた。
実はその台車は、後に「死の車」と隊員達に語り継がれる事になる物だったが、現在はさっきと同じ物がいっぱい並んでいる。もうフタはやめたようだ。
「ハイ、ユー達も」
そう言って、イッスンとカモノの前にも並べる。
アマテラスはパクついている。ウシワカも自分の分を変わった食器で食べ始めた。
「うん、ナイス」
にこにこしている…。やっぱり、大丈夫そうだ。
「…食ってみるか」
イッスンは、勇気ある選択をした。
「…」
カモノはどうやら慎重にイッスンの反応を待っているようだ。
「…、ええい!」

ぱく。

イッスンは口に入れてみた。噛んで、飲み込む。
「…旨い!」
思わず叫んだ。凄くほっとした。普通に美味しかった。
「フフフ、でしょう?」
「初めて食べる味だけど、悪くねェな…?」
首を傾げながらもう一口食べる。
「…いただきます」
カモノもおそるおそる食べて、驚く。
「おいしい…」

食べ終わった後に、イッスンが茶を飲みながらウシワカに聞いた。
「なあ、アレ、ホントにお前が作ったのか?奥で別のヤツがやってるとかじゃねェのか?」
「アハハ!ゴムマリ君、おかしな事を言うね。もちろんミーが作ったに決まってる。あ、ユーはもう帰ってもイイよ。アマテラス君にはずっといて欲しいなぁ!フフフ」
当然、とばかりに言って、皿を台車に乗せて運んでいく。大変上機嫌だ。

「…うーん、どういうことだィ?昨日やばくて、今日はまともなんて…。詳しく聞いてもイイか?」
興味が出て来たイッスンがカモノに聞いた。
カモノは、重苦しい表情で語り始めた…。

「そもそもの始まりは、隊長がどこぞの農園でお自ら栽培したらしい、野菜を持ってきたことでした…」

 

「やっと、収穫できたよ」
ウシワカが、昨日の朝早く、にこにこしながらたくさんの野菜を取ってきた。
カモノはその様子を見ていた。
「隊長、ソレは、ナスと…何でしょう?果物ですか?」
カモノは赤い実を指して言った。見たことの無いものだ。
「ノー、コレはトマトと言ってね。ナスと一緒だよ」
「野菜なのですか」
どんな味なのだろう。カモノは興味を持った。
「フフフ、今日のお昼はミーが作るから、楽しみにしててよ」
そう言って、ウシワカは台所に消えた。


「うーん、そのトマトってのがいけねぇのかも…?」
「でも、先程食べた物は、叫んでいませんでしたよ。収穫したばかりの時も…」
「…」
イッスンは黙った。…一体何をどうしたら野菜が叫ぶのだ。
それを余所に、カモノはため息を付いている。
「…皆、隊長を甘やかしすぎなのかもしれません…」
そしてカモノは惨劇を語り始めた…。

「はい、出来たよ!」
死の車に、よく分からないものが…おそらく乗っている。
オギヤァアアア!と聞こえる。…赤ん坊の泣き声が一番近い。
「…さらってきたのですか?」
隊員の一人が、ウシワカに聞いた。
「お皿が欲しいの?はい」
ニコニコ!と取り皿を渡された…。その隊員の心は折れた。
ウシワカは銀色のフタが被さったままの料理を皆の席に運んだ。
…そのどれもが、小さく叫んでいる。皿がガタガタ揺れている。
皆、無言だった。カモノも例外ではない。
「隊長…コレ、何なのです…?」
「フッ、よくぞ聞いてくれたね。…コレはグラタン。舶来の料理だよ。ちょっと変わってるケド…まあ食べてみて。好きな味じゃなかったら残してもいいよ」
…味、と言う問題でもない気がするが、こういう料理なのかもしれない…。
まあ実際はそんなわけ無いのだが、残してもイイなら…と、隊員達は覚悟を決めそうになった。
「あ、隊長!どうしたんスか?その手!」
しかもアベノが、気がついてしまった。…傷だらけの痛々しいウシワカの手に。
「ああ、コレかい?…少し切っただけだよ」

「隊長…っ!!!!」

陰特隊は、みんなアホだった。もはや、涙で料理が見えない。
「アレ、先輩、顔色悪いッスよ。お腹の具合でも悪いんスか?」
唯一まともなカモノには、ソレが天からの声に聞こえてしまった…。


「私は、何と言うことを…」
カモノは後悔している。しかし正しい判断をしたとイッスンは思う。
「まあ…、まともな人間がいて良かったなァ…」
大丈夫か。この都。とりあえず陰特隊がダメなのは分かった。
…カモノの苦労は計れしれない。

とにかく、イッスン達はウシワカがいる厨房を見に行く事にした。
「…以外としっかりしてるなァ」
設備はなかなか整っている。ウシワカは皿を洗っている。
「ああ、アマテラス君、冷蔵庫にデザートがあるから!フフフ…」
ウシワカは後ろを少し振り返って言った。
また直ぐ上機嫌で洗い物をする。
イッスンは薄気味悪い物を見た気分になった。
「なあ、ちょっといいか?」
イッスンが話しかける。本人に聞いてみよう…。

「ええ!?」
ウシワカはみんなが医者送りになった事を知らなかったようだった。
かなりびっくりしている。
アマテラスはデザートという物を食べている。アイスと言うらしい。
「昨日の料理もおめぇが作ったのか?」
イッスンは聞いた。
「イエス…。そんな、食中毒!?みんな仕事に行った物だとばかり…ああ、ミーはなんてことを…」
ウシワカは大変ショックを受け、大いに反省している様だ。
「隊長、昨日の今日で、どうしてこんなに料理の出来が違うのです?お心当たりは」
カモノも真剣な様子で聞く。
「うーん、もしかして昨日徹夜して練習したから…上達したのかなぁ?でも昨日のそんなに変だったのかい?まだ冷蔵庫に残ってたと思うけど…」
そう言って冷蔵庫、と言う物からフタがしてある鍋を取り出す
「上達って…」
そう言う問題でもない気がする。イッスンが言った。
「コレだけど…」

ウシワカが出した鍋は、なんか、昨日より騒いでいた。

「…!!ヒィィィ!何だよこりゃ!開けるな!そのまま捨てろ!!」
「うわぁぁ」
カモノが窓から放り投げる。
「ああ!そんな」
ウシワカが言って目で追う。すると、鍋の中身は下へは落ちずに、空中を羽ばたいてどこかに飛んでいった。
「ハハ…ワンダフル?」
ウシワカが呆然と見つめる。
「ありゃ…妖怪とかかもな」
イッスンがつぶやく。
「…そう言えば…」
ウシワカがつぶやいた。

「昨日、野菜やマカロニと一緒にあれも煮込んだような…」

皆固まった。
「そうそう!収穫した分で足りなさそうだったから、味見した後で、また農園に野菜を取りに行ったんだ。その時畑に鶏っぽいのがいたから、出汁に丁度いいかと思って、捕まえて混ぜたんだった。アハハ!思い出したよ!」
ウシワカはポンと手を打ってカラカラとほざいた。

「ハハハ!ソーリ」
ウシワカは皆にボコられた。

「野菜の変化は…分かりました。…では、竹細工は何故…」
カモノがおそるおそる聞く。
まさか、マカロニまでが…妖怪のせいで変化したのか?
しかし、スマキにされたウシワカはこともなげ言った。

「ああ、マカロニが切れてたから竹ひごを入れようと思ったんだけど、無かったから、
物置で見つけた竹細工を使ったんだよ」

一同は、固まった。あのアマ公でさえも。
「まあ、似たような物じゃないのかなぁ?」
ウシワカはキラキラしながらのたまった。

イッスンは、誓った。
オイラ…いつか奴の事を何か描くことがあったら…新種の妖怪、って事にしとこう…。
そう遠くは無い未来を見つめて…。

 〈おわり〉

ホントはウシワカの血で野菜が動き出した、ってオチにしたかったんですが、失敗しました。
っていうか何じゃこりゃ…。

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