絵、時々文章なブログ(姉)

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漫画、絵、文章を書きます。二次創作は大神。
長編小説はヘッダのシリーズまとめから探すと楽です。







■うざったい子守歌 【大神】【短編】

孫と子供の違い的な。

勝手に膝の上に載せてナデナデして、キスの雨を降らして高い高いして用意のお菓子(手作り)を大量に食べさせてきて、
些細なことで逐一大げさに褒めて、いやがってもニヤニヤ笑い何処へ行っても例えトイレでもついてくる年齢不詳の男。

それは間違いなく、赤の他人(不審者)です。
犬のおまわりさんを呼びましょう。

 

■うざったい子守歌

笛の音が聞こえる。

「…チ」
目が覚めたイッスンは、舌打ちした。
この笛、間違い無くあのインチキ野郎だ。

賽の芽の下。心地よい昼寝が台無しだ。
…アマテラスは眠っている。

しかも、真上か。イッスンは見上げた。

あそこにいやがる。

「オイ、そこの五月蠅せぇ蝉野郎!!降りてこい!!」
ピョンピョン飛びはね真っ赤になりプオーと怒る。
程なくフワリと男が降りて来た。

「ハロー、ゴムマリ君!ミーの笛はどうだったかなぁ」

「どうもこうも何も五月蠅せェ!!ヤメロ!」
イッスンはさらに飛び跳ねた。

ウシワカはうーん、と首を傾げた。
「一応子守歌なんだけど。…ユー?」
目が笑っている。
…ああ、分かった。嫌がらせだ。
「帰ぇれよ!オイラ親なんて、顔も覚えてねェんだ!」
イッスンの怒りは頂点に達した。シャキンと刀を抜く。

「でも、この曲は知ってるんじゃないのかなぁ」
ウシワカが自らの笛を眺める。たしかぴろうとうく、とか言ったか。
「…うるせぇ!さっさと帰れ!」
「…ハイハイ」

そう言ってウシワカは消えた。

■ ■ ■

…まあ、てな事が道中何回もあってよォ。
おかげでオイラはアイツが大嫌いになった。

そいうや、物陰からじーっとこっち見てた事もあったなァ。
あるときは、餅置いて逃げてったり。また別の時は、布きれ置いて逃げてったり…。
しかもいつも笑ってよ!キモイんだよ。
…全く、あの顔。今思い出しても腹が立つぜィ!!

けどよォ、ジジイ曰く。
『それは構って欲しい時のさいん』で。
『ウシワカは孫が可愛いジジイの心境』『ついついからかってしまうのは照れ隠し』
『むしろ緊張して?』
…らしいんだよなァ。

ことごとく裏目に出まくってたって、誰か言ってやれよォ。
おい。アマ公聞いてるか!

…アマ公は野郎とタカマガハラだけどなァ。


■ ■ ■


「で、何でィ?ウシワカがどうかしたのかァ?」
いきなり出くわしたと思ったら。

「ふぅん」
ウシワカによく似た、ちびっこい子供が腕を組んで何かを考える。
「ワゥ?」
ちびっこい大神も首を傾げる。

「いや。…期待はしないよ」
子供は笑い、チビテラスと共に去って行った。



それから暫く―。

「ここがタカマガハラかァ!」
「ワゥ!」
イッスンとチビテラスはその大地に降り立った。

意外に荒れている。

「お!!チビ公!!あれ、賽の芽じゃねぇか!!」
「ワゥ!!」
イッスンはチビテラスに飛び乗った。

そして駆け。賽の芽のそばまで来た。
「…!!」
向こうから、走ってくる影がある。
「アマ公!!」
「アォーン!!」
走って来たアマテラスが、イッスンとチビテラスに激突した。
「わぁっぷ!オイ!汚ねぇ!!」
イッスンはベロベロと舐められ、チビテラスも同じく、しっぽを振り一人と二匹でもみくちゃになる。
「プフフフフフ!」
「ワゥ!」
「キャゥ」

賽の芽の下で暫く再会を喜び合う。
イッスンはアマテラスに会えなかった間の事を、矢継ぎ早に報告する。

…そして。
「…、アマ公。インチキ野郎は?」
イッスンはあたりを見回した。
居て当然の人物が見当たらない。
「…ワン!」
アマテラスは一つ吠え。
きびすを返し、たっ、と走り出す。
「ワゥ?」
「お、おいアマ公?…」
イッスンとチビテラスが、慌てて後を追う―。



「ワゥ」
アマテラスがとある木の下を差し示す。

「今日もユーはファンタスティック!アハハハ!!次は何して遊ぶ?あ、お菓子食べる?べーリィナイス!あ、お菓子食べる?食べる?食べる?!むしろ食べて!うわぁぁ!ベリィキュート!!」

「…邪魔」

イッスンとチビテラスが見たのは、ひたすらにウザ親と化したウシワカと、それを心底ウザかるクロウだった…。

〈おわり〉

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