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絵、時々文章なブログ(姉)

sungenのブログです。pixivデータ(主に文章)の保管用ブログ。オリジナルイラスト、小説がメイン。


sungen(pixiv genペア)のブログです。


アート、デザイン、漫画、イラスト、小説について語ったり、作品をアップロードしたりします。
漫画、絵、文章を書きます。二次創作は大神。
長編小説はヘッダのシリーズまとめから探すと楽です。







■JACK+ ① 異国 【オリジナル小説】【JACK+】【ブレイクダンス】

■JACK+(オリジナル) 小説 ダンス関連 乙女

 

なんちゃってダンスバトルがメインのオリジナル小説です。一応メインはブレイクダンスとKRUMP(クランプ)。

20160110162234

ジャンルはスポ根ダーク&サイケデリック&地下組織もの?

※過去の話なので色々とネタバレあります。

※全く乙女ゲームっぽい展開では無いです。

※このシリーズはR-18にならない程度の暴力描写(ようするにぬるい…R-15も行かないくらい?)があります。
※残念ながらBL、NL展開にはなりません。主人公およびメインキャラに対するエロ描写はありません。…と言い切りたいけど…別に無いんですけど…。うーん…。全体的に色々はっちゃけてます。

 

全12話+おまけ。の予定。(本編は今11話③執筆中。もう少しで完結します)

某コンテストの乙女ゲーム作品投稿後、ついでに書いてみた物です。

主人公は攻略対象の男性。挿絵も自給自足(予定)のセルフスピンオフです。

pixivからの転載作品です。

 

 【キャラクター紹介】

こちらから。

sungen.hateblo.jp

 

【一応本編 『喫茶アトリ』あらすじ&一章】

こちらから。JACK+の約五年後の話です。第一章がpixivで公開中。速水21歳からスタート。修正したいとことか山ほどあるんですが…、応募作なので手が加えられない。泣目。

www.pixiv.net

乙女ゲーム仕様の逆ハーほのぼの?バリスタ話になる予定。…スピンオフから始めてしまったので2章の前で止まったままです。…追々執筆していきます。



例えダンス描写が微妙でも最後までつきあってやるぜ!…という方が居たらもう感激します。

でも前半はお下品で、後半は斜め後ろにヤバイ話なので途中で脱落必死です。

そんな感じですが、よろしければお暇つぶしにでもどうぞ。

【第1話の本文字数 6013文字】

■第2話 レオン (次回のリンク付けときます)
http://sungen.hateblo.jp/entry/2015/12/31/113704

 

 

 JACK+ ① 異国



速水は窓際で電話をかけていた。
このアパートは、なぜか電波の入りが悪い。


『おかえり、サク。フランスはどうだった?いつ帰ったんだい?』

「別に、普通だった。一昨日帰ったけどずっと寝てた。…今日は片付け」
『はは。楽しかったなら良かった。片付け、僕も手伝いに行こうか?』
「…別にいい。お前メルボルンから来る気か?」
『あはは。ああ、それで、撮影はどうだった?』
「まあなんとか。あいつも元気だった。お前によろしくって」
『彼の新曲はいつ出るんだい?PVはネット配信とかするのかな』
「さあ、なんか編集とか仕上げとか、時間掛かるらしい。でも今年中には出るって言ってた。でも二曲とか、聞いてない。アイツいつもそうだよな。俺が着く直前にインスピレーションで作ったって、じゃあこの曲に合わせて踊ってくれ!たまにはブレイク以外で、とか、無茶振りだろ!?まあ、踊ったけど」
『はは。彼らしいね。でもそれでヒットするなら、良いんじゃないかい?』

『それで、次はアメリカ?忙しいね』
「ああ。今度はニューヨーク。けどロスに寄ってから行くつもりだから、明後日には出発する。チケットももう取った。それまでに片付くかな…手紙はいいけど、ジャックのクマが…。やっぱ捨てようかな」
『うーん、じゃあクマ、僕も少し貰おうか?』
「いい。お前がクマとか、気色悪い。じゃあ、またメールする。電話は出られないから」

『はいはい。頑張っておいで。じゃあね』
「ん。隼人、またな」

通話を終えた速水は、携帯をPCラックの端に置いた。

外は残暑。室内は冷房が効いている。
速水朔、彼のアパートの部屋は様々な物で埋まっている。

いま、彼の部屋で一番の割合を占めているのは、友人の部屋から引き取ったテディベア。
ベッドの上、窓の枠、壁際、そしてソファーの上まで。薄いブラウンの、中~大の大きさで、三十くらいはあるだろう…。
と本人は思っているが、実際数えるともう少し多い。

部屋の中心には、木で出来たローテーブル。
その上には手紙が山ほど積まれていて、今にも落ちそうだ。

十畳ほどのワンルーム。元は何の変哲も無いアパートだった。

速水はこの部屋に、一月ぶりに帰って来た。
片付けもそこそこに直ぐ寝て。そして起き。
洗濯などをして、その後ずっと手紙を読んでいたのだが…、先程、そう言えばと思い親友の隼人に連絡をした。

速水は床に座った。
…ファンレター、ありがたいのかもしれないが、この量。
机の反対側にはまだ段ボールが三つ。全部見るのか?
速水はうんざりした。

そのほかにも。彼の周囲にはプレゼントらしき箱。これは二十も無い。
手紙以外はお断りとなっているので、いま散らばっている箱は、特に親しい友人達からのものだった。
この贈り物は後回しだ。
楽しみはとっておくタイプと言う訳では無く、単純に多い物から片づけるタイプなのだ。

彼は、プロのダンサーだった。
しかし一般的なイメージで言う、ヒップホップでは無く、ブレイクダンスをやっている。

彼は今から約一年と四ヶ月前、世界大会で優勝した。
その時は二人組、タッグで出場したのだが、その時の相方はもう居ない。相方は優勝した直後の凱旋ライブで死亡したのだ。

事故だった。

…そんな訳は無い。

いや、確かに事故だった。警察の調査を見ていたが、建物は老朽化していたが。
不審な点は無い、偶然と言う名の、不幸な事故?…本当に?
速水は信じていなかった。

タイミングが良すぎるのだ。
一体、この世界のどこに、世界大会で優勝して、凱旋ライブしたとたん、舞台の上であっさり死ぬダンサーが居る?

「ハァ…」
ハサミをテーブルに置いて。速水は溜息を付いた。

先程から、というかもうずっと、封筒を開けば。
『速水さん、ガンバって下さい!応援してます!』
『ジャックは永遠です!』
『…まるで、ジャックが生き返ったみたい、いえ、それ以上です!』
『感動しました!!ありがとう!!速水さん!いいえ、ジャック!!ずっとずっと!ファンでいます!一生かけて!!』

そんな言葉にうんざりしていた。
まあ、今まで放置していた自分が悪いのだが…。

それにまだ、友人宛ての手紙もあるのだ。
自分宛の物を見終わったら、そちらも見ないといけない…。

異国の地。日本。
ジャックはここで死んだ。
彼は伝説のダンサーだった。…死ぬ前から。

ジャックが死んだ翌年、速水は同大会に出場した。
結果は準優勝。…優勝できなかった。
振りは速水が考えた二人編成。しかし、一人で踊った。
ジャックはブレイクダンスの新たな境地を開いていたように思う。
速水はそれを額面通りに受け継いだだけだ。

…速水の踊りはすばらしいと絶賛された。

『俺はダンス続けます。ジャックの代わりにはなれないけど』
彼はインタビューでそれだけ言った。

それから四ヶ月。彼は今や、何処へ行っても『ジャック』と呼ばれる――。


彼はひたすら、開いて、読んで、しまって、輪ゴムでまとめて。
それを繰り返す。
『あなたのダンスが、大好きです!』
…それなりに文面に感謝して。

そしてまた次の手紙を手に取る。

「…?」
彼は眉を潜めた。
ファンレターらしさが全く無い、白い封筒…。

DMが紛れ込んだのか?速水はそう思った。
切手は無いが、これは別に珍しい事でも無い。
裏返してみる。

差出人は。

「ネットワーク…?」

とだけ記され。速水朔はその差出人を知らなかった。
封筒をまた裏返すと確かに自分宛だ。宛名シールに住所、氏名がパソコンで打ってある。
となるとただのDMだろう。料金別納郵便というわけでは無いから、直接ポストに入れたか?

…けど、おかしいな。何でファンレターの中に?ポストは見たけど、混ぜた覚えは無いし。
…一応開けて、大した物で無いなら捨てよう。

彼はそう思い、ハサミで封を開けた。

中から出て来たのは、一枚のカードだった。

トランプ。…ダイヤのジャック。

Suicaなどの磁気カードに似ているが、それよりも高級な感じだった。
裏は真っ黒。鉄か何かでできているのか?

「なんだこれ」
彼はそれを手に持って眺めた。
封筒をのぞくが、他には何も入っていない。
ネットワーク、とか明らかにうさんくさいし、誰かのイタズラか自作のアイテムだろう。
カミソリレターよりは洒落が効いている。
そう思って、袋に戻した。ファンレターではないので、輪ゴム行きとは別にした。

そこで、ふと無くすかも、と思い、彼は立ち上がってPCデスクにのせた。


その後また手紙の開封にいそしんでいると。チャイムが鳴った。

「はい」

インターフォンの画面を見ると、男が一人立っていた。
黒スーツに、えんじ色と白のストライプのネクタイ。くたびれたトレンチコート。

『あー、茨城県警の宇野宮大介って者だけど、一応警部。速水朔さんのご自宅で合ってますか?』
男は警察手帳を見せ、名乗り、そう言った。

「合ってます。…すみません。俺、今忙しいんですけど。ご用件は?」
速水は言った。明日はまた別の打ち合わせが入っているし、この手紙の山を今日中に片付けたい。
『ジャックさんの事故について、少しお話したいんですけどね』
「…お話?今さら?」
彼は首を傾げた。確かにこの男には見覚えがある。
事故の後、所轄の警察官を顎で使っていた男だ。

だが今更、電話ならともかく…いきなり訪ねてきて?
「何か分かったんですか?」
それでも速水は身を乗り出した。
『とにかく、中に入れて貰えるかな?何なら、外でも良い』

部屋には足の踏み場も無く、人を入れられる状態では無い。

「…今散らかってるので。出ます」
速水はそう言って、切り、キャップを手に取った。


「悪いね、態々」
「いえ。そこの店で良いですか?」
そして場所を近くの喫茶店に移し、簡単な事を聞かれた。

簡単な事、すなわち、あの日、あの場所に居たメンバーについて。
純粋な事故として調査は打ち切られたが、宇野宮はまだ調べ続けているという。
速水は当時を思い出し、名前を挙げた。

速水は招待した友人や、その家族、関係者、施工業者の名前も全て覚えていた。

宇野宮はそれに驚きながら、せかせかと手帳にメモした。
それなりに時間が掛かり、煙草を何本も吸っている。

「けど…やっぱりあれは事故だったんです。俺が信じたく無いだけで」
速水も当時は調査の粗を探したが、ジャックの死から時間が経ち、そう思う様になっていた。
実際、事故としか言いようが無い。

――あのライブの時――。

がつん、と舞台に天井の一部が落下した。
速水はそれを踊りながら目の端で捕らえた。

次の瞬間、天井ごと抜け、巨大な鉄の塊が落ちコンクリートが次々に落下し、ジャックを直撃し、速水も巻き込まれた。

まさに大事故。
場内に悲鳴が響き、パニックになった。

その後、内部の基礎の老朽化が酷かったとか、照明が重かったのではないかと言われ、ハウスの支配人と舞台装置の施工業者が、入院していた速水に土下座をした。

…何度も、世話になった人達だった。

支配人は自分の不備を責め、…見ていられなかった。

施工業者は、建物の耐久性を計算に入れていなかった、だがあの程度で落ちるわけが無い、あれは前回のライブの時と同じ物だった…たった一つの追加をのぞいては…!と涙ながらに釈明した。

速水は彼等の為にも、踊り続ける必要があった。

ジャックの死を悲しんでばかりは居られない。
立ち止まるわけにはいかない。泣いてしまうから。
踊らないと―!

「速水君」
「あっ、はい」
机の上のキャップに目を落とし、当時を思い出していた速水は顔を上げた。

とんとん、音がする。最後の煙草を取り出す音だ。
宇野宮の煙草は、これで一箱が空になった。

「俺も、ジャックのファンだったんだ。気持ちの整理がつかなった…」
宇野宮が、煙を吐き出し呟いた。

「そうですか…。ありがとうございます」
社交辞令だろうと思ったが、速水は礼を言った。
「君は若いのに、しっかりしてるな」
宇野宮は目を細めた。

「…あの、質問良いですか」
「なんだい、ああ、どうして今更来たかって言うと―、ハウスがもうじき」
「いえ、そうじゃ無くて。ハウスが取り壊されるのは知ってます」
「そうか、なら、最後に見に行くか」
「いや、そうじゃ無くて」「ん、ああ、」
さらに宇野宮が何かを言おうとしてお見合いになった。
速水は宇野宮とはタイミングが合わないな、と思った。溜息を付く。

「…宇野宮さん、あなた警視でしょう。何で今更調査に来たんですか。階級詐称とか良くしてるんですか?」
「―!!っ、ゴホっげほっ、ぎょっほ!」
速水の言葉に、宇野宮はむせ込んだ。
「な、ななんで知って、うわっ!」
宇野宮は手に咥えた煙草を落とし、拾おうとして灰皿をぶちまけた。
「何でって、別に。事故の後で聞いたんです、あの人は誰ですかって…」
速水は、宇野宮をじろりと見た。…速水は目つきがきつい男だった。
宇野宮はたじろぐ。

一年前、自身の怪我はたいしたことが無かった速水は、早々に退院し、調査に立ち会った。

確かに、現場の警官には宇野宮警部と呼ばれていた。

「けどそんな感じじゃ無かったし。一人を捕まえて、良く聞いたら、こっそり教えてくれたんです」
実際は、宇野宮に親しそうにしていた刑事をにらんでカマを掛けたのだ。

『おい。あの人、警部って言われてるけど、変に貫禄あるし、違う気がする。
キャリアって、見た事無いけど、…あんな感じかな?』
…そのうちに面白がって教えてくれた。

「あいつか。チッ」
宇野宮も、その刑事には心当たりがある様だ。
やけくそっぽく、最後の煙草を灰皿に押しつけた。

「分かった。嘘をついて悪かった。今日は頼みがあって来た。とりあえず出よう」
「え…」
宇野宮は伝票を取り、速水の腕を取り、席を離れた。

■ ■ ■


車に乗せられ、速水はライブハウスに来ていた。

移動に三十分ほどかかり、時刻は、もうすぐ七時。
何があるのか、異様なほどの飛ばしぶりだった。
車中ではあまり口を利かなかった。

「降りてくれ」
宇野宮が言った。

速水は車外に出て、ドアを閉め、落書きだらけのバリケードで囲われたハウスを見た。

ハウスは…崩れたステージを含め、当時のままになっているはずだ。
外観からはわからない。

そちらへ歩く。
バリケードのゲートに、幾つもの花束がおいてある。
涸れているものも多いが、いくつかは先日置かれたばかりのようだ。
…天国のジャックへ。手紙の内容はきっと速水の活躍に関するモノだ。

駐車場から走って来た宇野宮がバリケードのゲートを開けた。
鍵を用意していたらしい。腕時計を見て、ゲートの隙間に滑り込む。
「おい?」
腕を引かれ速水は戸惑った。危うくゲートに肩をぶつける所だった。
「いいから、早く!」
「ちょっ!何なんだ!?」
「急いでくれ!」

ライブハウスの扉は開いていた。

ホールに着いた宇野宮は肩で息をし、速水の腕を放した。
「おい!!奈美はどこだ!?…妹は!!」

「っ!?」
いきなり照明がつき、速水は目を細めた。
舞台で使う、スポットライト――。それがホールに入って来た速水と宇野宮を照らす。
「奈美!?」
その奈美は、ステージの手前に倒れていた。何故分かったのかというと、そちらにライトが当たったからだ。服を着たままロープで縛られ、胸にはナイフと血が。
これは!?人質――!!?
「っ!!」
宇野宮が駆け出す。
「おい!!!」
速水は宇野宮を止めようと手を伸ばして叫んだ。走り出そうとして、つんのめった。
体がぐらつくのだ。

「え…?」
気が付いたら床に膝をついて、腕をついていた。

速水は意識を失った。


■ ■ ■


速水と宇野宮が意識を失った後、十名ほどの人間がホールに入って来た。
皆スーツにガスマスク。
使われたのは全身麻酔などに使われるガス。それがフロアに充満していたのだ。
もちろん、奈美という女も事前にそれを嗅がされていた。
彼女に怪我は無い。胸に付いた血は血糊で、ナイフも単なる演出だ。

三人の男が倒れた速水に近づき、彼を拘束した。そして担ぎあげ、何処かへ去って行った。

残りの者達は撤収に掛かった。
機材をケースにしまい、その後で倒れたままだった奈美と宇野宮を運び出す。

…ホールには何も残らなかった。

〈おわり〉

 

 

 

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