読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

絵、時々文章なブログ(姉)

sungenのブログです。pixivデータ(主に文章)の保管用ブログ。オリジナルイラスト、小説がメイン。


sungen(pixiv genペア)のブログです。


アート、デザイン、漫画、イラスト、小説について語ったり、作品をアップロードしたりします。
漫画、絵、文章を書きます。二次創作は大神。
長編小説はヘッダのシリーズまとめから探すと楽です。







■JACK+ 番外編 怪談 ① 【JACK+】【番外編】 

■JACK+(オリジナル) 小説

 外人さんって日本の恐い話に耐性なさそうですよね。

この番外編シリーズでは毎回適当な心霊現象が起きます。

※ジャックと言うのは語り手の速水朔というブレイクダンサーのあだ名みたいな物です。
※JACK+本編の設定とは関係有りません。この番外編だけな感じです。
※なんちゃって怪談です。実際の出来事とは関係有りません。

※とても適当な創作なので、似た恐い話があるかも…。

 【本文字数 2484文字】

20160113222606

 

JACK+ 怪談 ①


「ほら、旅先って色々起こるだろ?」
ジャックは声を潜めた。

「これは俺が経験したことだけど…」

その日は林間学校だった。
中学生のジャックは面倒だと思ったが一応参加した。
食事はもちろんカレー。皆で作り、それなりに楽しかった。

『速水、洗いに行こう』
『ああ』
ジャックは片付けを手伝った。

「その途中、洗い場の奥の茂みから物音が聞こえた気がして。なんだろうって思ったんだ。けど洗い物してたから、別に確かめたりしなかった」

「中学生だし、皆噂とか好きだろ?…夕食の後、キャンプファイヤーがあったんだけど、その時にはもうその話が噂になってて…噂って言うのは、十年以上前、ここで、キャンプしてた人が行方不明になったらしいって。その人は若い女性だったって。…噂好きの男子達が、怖がる女子にあること無いこと言いふらしてたらしい…」

らしい?
「らしいってのは、俺は何か、洗い物した後、気分が悪くなっちゃって、レクリエーションと、その後のキャンプファイヤーには参加しなかったんだ。先生に言って、テントで休んでた」

「…一人で寝てると、歌が聞こえるんだ。日本ではキャンプで良く歌う、おなじみの歌…えっと多分メロディーは何か英語の曲が元だったかな…こう…」
ジャックは口ずさんだ。

あ、知ってる。

「そうか…それで寝てる間ずっと、この歌が聞こえてたんだ。俺はああ、参加出来なかったな、まあ良いかって思って。それで、結局…さっき言った、男子が言ってた噂の内容とか、そう言う詳しい事は全部後で聞いたんだ。どういう噂だったかって…ノアも聞くか?」

「…う、ちょっと待って」
ノアは止めた。
「ハヤミ…これどんな展開?恐いの?」
ベスも聞いた。
「そんなに恐くないから、大丈夫」
ジャックは微笑んだ。

「このキャンプ場、俺たちが行ったときは、新しくなってそこそこ綺麗だったんだけど、その前は寂れてたんだって。その時キャンプに来た、若い女性が仲間とちょっとふざけてて…奥まで散策しに行って。まあ、仲間が悪かったのか、客が悪かったのか、夜になっても返って来なかった」

なんで?
「さあ、何でだろうな。…警察が総出で捜したけど、結局見つからなかったらしい。それが…駆け落ちとかなら良いけど、そうじゃ無かったんだって俺たちは知ってる」
ジャックは目を伏せる。

「何でしってるの…!」
ノアが言った。

「…見つかったんだよ。死体が。…まあそれは後の事だけど」

「話を戻そう。…キャンプファイヤーの後で、止せば良いのに肝試し…って言っても全員で星の見える展望台に行くって、言うそう言うイベントがあって」

「…距離も、キャンプ場からすぐで、道も広いし、明かりもある。けど俺もさすがに、一人でテントに残されるのは、ちょっと恐かった」
ジャックは思い出したのか、部屋の暗がりを見た。

「…俺は歌が止んだから、次はそのイベントだと思って、起き上がってテントを出た」

「先生達がいて、おれはホッとした。それで皆と合流して、高台まで歩いたんだ」

星は本当に綺麗だった。
キラキラして、いっぱい見えて。女子は流れ星が見えたってはしゃいでた。
速水君どうして来たの、具合大丈夫?って女子達に聞かれて、さすがに一人じゃ恐かったって俺は正直に答えた。

「男共にはからかわれたな。お前にも恐い物があったんだなって」
ジャックは苦笑する。

「それで、その後皆で戻って、点呼して。まあ普通に寝た――、恐い話とかしながらな。次の日も、ああ、日程は二泊三日だ。…俺はあまり気分が良くなかった。だいたいイベントはサボって、何回も読んだしおりとか、だれかがこっそり持って来た漫画とか読んでた。まあ、ほとんど寝てたけど」

「なんか、散々だね」
ノアは言う。
「ホントな。それで日程も終わって、俺たちはバスで帰る段になった」
ジャックは笑った。

バスに乗り込んで、残ったお菓子とか食べて。
それでガイドさんがあのキャンプ場にまつわる噂をきっぱり否定してくれた。
ただの噂ですって。行方不明があったのは、隣の県のキャンプ場だって。

それはそうだよな。先生がそんなおかしな所、選ぶわけが無い。
「俺は、先生の顔を見た」

「けど―」
その人、知らない女の人だった。

■ ■ ■

俺の前に座ってるんだよ。バスの運転席の直ぐ後ろ…。
窓ガラスに映って見えたんだけど、絶対知らない人だった。

「もっとおかしいんだけど、日本のバスって片側二列づつなんだ。…それが一列、窓の向こうに増えて映ってた。当然、その人の席はガラスの向こうにしか無い」

あ、やばい――って俺は思って、目を瞑った。

「その時バスが急停車して――、これはマジなんだけど、事故った」
「え!!」
「もう、目茶苦茶驚いた。皆が悲鳴上げて。全員シートベルトしてて良かった」

「――まあ、それだけなんだよ。あんまり恐くないだろ?ガイドさんも軽傷だったし」

「っ恐いよ!!…その女の人、ゴースト?」
「さあ。けどな…後で気づいたけど、その人…星を見ながら、俺に『ひとりは寂しいよね』って言った人で…」

うぁあああ!!と言う、凄い悲鳴が聞こえた。
「お前等!!そんな話するな!!!」
とっくに寝ていたはずのレオンが起き上がっていた。

「あ、起きてたのか?ノアが日本の怪談聞きたいって言うから」

そのノアは、大変ビクビクしながら部屋の明かりを付けた。
「ベス、今日一緒に寝よう…」
「もちろんよ」
ベスも同じくだ。

「オチって言うか、実はその人隣の県で――」
「いい、もう言うな!分かったから!」
レオンは言った。

「まあ、この話、ジョンも寝れなくなってたから。まだ幾つかあるけど…?」

「「「ノーサンキュー!!」」」
皆の声がこだました。

 


「悪い」
ジャックは苦笑した。
結局、その女性は隣の県で殺され、こちらのキャンプ場に埋められた、と言う話だった。

〈おわり〉

広告を非表示にする