絵、時々文章なブログ(姉)

sungenのブログです。pixivデータ(主に文章)の保管用ブログ。オリジナルイラスト、小説がメイン。


sungen(pixiv genペア)のブログです。


アート、デザイン、漫画、イラスト、小説について語ったり、作品をアップロードしたりします。
漫画、絵、文章を書きます。二次創作は大神。
長編小説はヘッダのシリーズまとめから探すと楽です。







■JACK+ ノアと速水のいぶんかコミュ② JACK+ 怪談 ④(出張版)【番外編】

今回はJACK+怪談④(出張版)付です。

出張版につき、今回凄くアホ。またまともバージョンも書こうかな。

一番の怪談は、速水の兄がまだ赤モヒカンだって事だ…。あと隼人は、荷物減らしたかったんだとおもいます…。あ、骨が無くておいしいです。

※JACK+怪談は、過去回想+心霊現象という謎の番外編シリーズです。過去エピソード自体はだいたい実際にあった出来事ですが、半パラレル状態。本編の速水さんに霊感は無いです。
※この番外編は基本、本編シリーズの超ネタバレです。本編からどうぞ。

大体アンダー後期はじめごろ?

sungen.hateblo.jp

 

【本文字数 6259文字】

20160405122941

 

JACK+ 【番外編】ノアと速水のいぶんかコミュニケーション② 速水の苦悩


「ベスー!」

ノアはクイーン専用の個室の扉を叩き、ベスに泣きついた。
「ノアどうしたの?」
何となく個室にいたベスが出て来た。赤いTシャツに、ジーンズ。イヤリング。大体いつもの格好だ。
ちなみにノアはセーラー襟の水色トップスにベージュの短パン。
白のハイソックスににはブルーのラインと碇模様。どう見てもマリンルック
エリックが持って来た物をそのまま着ている。…エリックはノアの服のコーディネートに困っているようで色々試している。

そして問題の速水はいつものように黒一色。ネックレス、ブレスなど装飾品が多いのは、順位が上がったからかもしれない。
「ハヤミが意地悪する!!俺と友達になるの嫌だっていった!超むかつく!」
ノアは恨めしげに速水を見た。
「あら、そうなの?」

「…ノア」
速水は立ち上がって、ノアの方へ歩く。

彼は内心、冷や汗をかいていた。
――誤解されてしまった。どうしよう。
募集してないって、確かにそうだけど。嫌われたかも。…やばい。

「ええと、違う。ポイントは結構たまってるし。ノアは悪くない」
「そもそもポイントって何だよ!?――じゃあハヤミが悪いの?」
ノアは言ってハヤミを睨んだ。
「…、」
速水は黙り込んで、黙り込んで、考えて、考えた。

速水の言うところの友人枠――。

速水にとっての友達とはつまり。

誕生日、クリスマス、お正月、その他記念日は必ず一緒に過ごす。
もちろんその際にはささやかなホームパーティ。あるいはサプライズ
誕生日には真心込めたプレゼントまたは手作りケーキを送り、クリスマスにはお互いにプレゼントを用意し交換する。大晦日は速水の家で一緒にテレビを見て、お正月は一緒に初詣。
速水は料理やお菓子作りも好きなので、新しい料理や、お菓子を作ったら真っ先に味見してもらう。けどたまにはどこか予約して外食もしたい。
珈琲も出来ればいつも一緒に飲みたい。

電話をしたら、なるべく出て貰えると嬉しい。
――これは親友枠の隼人に厳重注意されたので、友達枠は週一回、十分が限度。
代わりのメールは特に用が無いなら週に三回まで。毎日は禁止。
――これは親友枠の隼人に、友達枠で週三回は多いと指摘されたので、もう少し減らす事を検討中。

あと。これが重要。
遠くに住んでいると、いざ会えなくて困るので、家は近い方が良い。
徒歩三十分圏内なら言うことは無い…。

ちなみに友人枠は同性限定。女性は不可。
実際に速水は過去試験的に、何人かと友人付き合いをしたことがある。
…速水は別に一人でも良かったが、もっと仲良くなりたいという『知り合い』は結構いた。
そこで、まずはお友達から、というやつだ。

だが結局皆、一、二週で疎遠になってしまった…。

『思ってた速水と違う。やっぱ知り合いが楽』って…一体何がいけないんだ。
……重いのか?やっぱり。

速水は溜息をついた。
「ノアが日本人だったらな」
…日本人だったら、帰国してもすぐ会えるのに。

「――!!!っ?」
ノアは絶句した。ここに来て人種の壁!?

「ハヤミの馬鹿野郎!ベスー!!ハヤミが差別する!!」
「もう、ハヤミ、ノアを苛めないの」
「苛めてない…」
ベスにとがめられた速水は大いに反省した。ノアは何も悪くないし、ウザく無い。
…俺の言い方が悪いんだ。

「ノアが嫌いなの?」
ベスがノアをひとまずそこらに置いて、椅子を引き腰掛ける。
「いや」
速水も椅子を引いて座った。今から保護者面談か。

速水は居住まいを正した。
「友達枠は今、募集してない…、色々考え中」
「?つまり、どういうこと?」
ベスは首を傾げた。そこらに置かれたノアはベスの肩に隠れうー、と低く唸っている。

「つまり、昔色々失敗したから…、そう、あれは――」

 ■ ■ ■

 

20160113222606

 

JACK+ 【番外編】怪談④ (出張版)

 

 

――雪景色だった。

雪の降る、雪山。

子供用携帯は圏外。


「兄貴ー?…いないのか。完璧はぐれたな…」
小五の俺は、周囲を見回した。兄は松茸探しに行ってしまって、姿が見えない。
残されたのは、微妙に詳細な等高線付きの地図。

「僕のもダメだね」
隼人が言った。


そもそも――。
『春休み、あとまだ三日あるし…隼人と親睦旅行に行こうかな』と言ったのは俺だった。

『あ、おに…兄貴も暇ならついてきて。いきなり二人きりはハードル高い』
そう言ってしまったのも俺だった。

俺は単純に、出来れば隼人とそろそろ友人になりたい、親睦を深めたい。そう思って…、なら旅行がいい、と考えた。

…まあ、実は、丁度テレビで旅番組がやってて。
何となく、旅行したいなと思った。

春休み、俺と受験を終えた隼人は散々遊んだ。けど、俺はまだ小学生。
けど…隼人は新学期から高校生になる…。
隼人が高校に通い始めたら、年下の俺は絶対忘れられる。それは避けたい。

『年も近い兄貴が、先に隼人と友達になって、その後俺が隼人と友達になる――うん、自然だ。どうかな?』
悪く無い計画だったと思う。
だが、それを聞いた兄貴はテンションを上げまくった。
『合点承知!いこ!いこイッッコーーーーーーー!!ぴよーん!最高!!あ、岡本?~俺!明日から泊まりにイッパツフツカ!三人!よろぴく~!』
舎弟が宿をやっているらしく、兄貴はあっと言う間に部屋を押さえた。そのまま俺の携帯を勝手に使い、隼人に電話をした。

『隼人くーん?ヘイ元気?あ、俺、メモリ消されて超ショックな朔の兄ちゃんでえ~す!で、明日からさー』
『あっ、おい!』
そして俺は、『ゴメン!兄貴馬鹿なんだ!!…、…その、急だけど良かったら…』と控えめに隼人を誘った。
隼人は受験も終わったしいいよ、ちょうどどこかに出掛けたいと思ってたし、と快く了承してくれた。俺は感動した。なんて心の広い男だ。

翌日、俺達は出発した。
…そして。その結果が。

■ ■ ■


「…朔。今は四月だよね」
隼人が言った。

「…ああ」
俺は言った。ここは一応関東だ。
宿は山奥だったが、…こんなに雪がある訳無い。

確か…駅から皆で話しながら、少し山道を歩いてて…それが、どうしてこうなった?

俺は溜息を付いた。
「ハァ…いつものか?…兄貴の捜索は、もうあきらめよう」
「あっ、ライチョウだ!!!!?どうしてここに!?――うわ可愛いね!見てご覧!」
俺の呟きを隼人は聞いていなかった。

「――――そうだ、朔、出雲さんはいいのか」
鳥を撮影していた隼人は、連写後に振り返った。

「兄貴はしぶといから平気。場所も知ってるだろ。隼人、宿、地図だとこっちだよな…?」
俺は兄貴の書いた、詳細な地図を見て隼人に言った。
地図は習ったので読めるけど。友達になるには、こういう小さなコミュニケーションが大切だと思う。

「ああ、見せて」「はい」
俺は隼人に地図を渡した。
「詳しい地図だね」「うん」
意外と兄貴はこういう所が細かいんだ。だから俺は兄貴がす…ゴホ!き、じゃない。

「なあ隼人、こっちの道…、だよな」
そして俺は言った。
道は雪に埋もれ、とても分かりにくかった。

「そうだね。こっちの道…だ。合ってる。じゃあよし、とりあえず行こう。――寒くない?」
「…もちろん寒い。死にそう」
フードをかぶりながら、俺は震えた。
山なので、パーカの上にちゃんとジャンパーは着て来た。いつもの帽子もかぶってる。
インナーも長袖だし、長ズボンだし、薄着はしてない。

けど、こんなに雪が降るなんて聞いてない。

「じゃあ、これを着て。丁度厚着してたんだ。山は寒いかなと思って」
隼人がジャケットを差し出した。
「いいのか?あ、シャツで良い」
「じゃあ…、セーターをあげる。実は窮屈だったんだ」「いいのか?」
俺は隼人から、余分そうな厚手のセーターを一枚服を借りて、大きかったので一番上に着て袖を曲げた。
これだけで大分違う。
(ありがとう、隼人…)
俺は柄シャツonベストonトレーナーonセーターon上着という謎のレイヤードをしていた隼人に感謝しつつ、雪道を進んだ。

途中、結構な難所がいくつもあった。

橋の壊れた川があったので、水に落ちないように、その辺にあった木で足がかりを作ったり、岩を渡って通ったり。
片側が崖のように切り立った、幅の狭い道を踏み外して落ちそうになって、間一髪で隼人に助けられたり。
積もった雪が深くなってきたので、即席のかんじきを作って履いてみたり。

とにかくそんな感じで、地図を頼りに、俺達はひたすら宿を目指す。

途中、少し吹雪が強くなったのでビバークした。
「…なあ、隼人」
ビバーク中、俺は年上の知り合い、隼人を見た。
「なんだい?」
「この親睦旅行、かなり失敗ぎみだよな…ごめん」
俺は言った。突然の雪山。数々の難所。だからどうしてこうなった?
きっと、隼人もうんざりしているはずだ…。

「そうかな?結構楽しいよ」
隼人は楽しそうだった。
俺は、隼人の心の広さに感動した。
隼人にボーイスカウトの経験があって良かった。隼人は鳥を探してよく登山するらしい。

ビバーク中に登山の心得とか、必要な装備とか色々教えて貰った。
このタープも、隼人がたまたま持っていた、というかリュックにいつも入っている物らしい。
「そんなに鳥が好きなのか?」
俺は聞いた。
「うん。――だって、空を飛べるんだ。凄いだろ?あと可愛いし!驚くほど賢い鳥もいる」
「ふーん。…なあ。さっきの、ライチョウ?結構可愛いよなあれ」
「ああ。じゃあまた今度CD貸すよ。鳥の鳴き声集」
「!?…いや、別にいい」「DVDもあるけど」「…それは借りようかな…」

雪は止んだ。さくさく、と進む。
「危ない!!」「っ!?」
途中雪崩が起き、俺は危うく巻き込まれる所だった。
間一髪、隼人に命を救われた。
「怪我は無い?」「ありがとう、…!お前、怪我」「かすり傷さ」
隼人は命の恩人だ…。隼人は手早く二の腕にハンカチを巻き付けた。

そして。
「あ、あれだ――」
隼人がついに宿を見つけた。

「やった…!死ぬかと思った!」「ふう。少し時間がかかったね」
俺と隼人は喜びを分かち合った。


■ ■ ■


で、着いた宿はコレだ。
小さくは無いが、どう見てもボロボロ。

「築何年だ?まあ、もう泊まれればどこでもいい…」
俺はぐったりと言った。
「お兄さんは居るかな」
隼人がガラガラ、と扉を開けた。

「あ、来た来た~!遅い~~!」
兄は先に到着していて、俺はむかついた。

「っとに。兄貴が勝手に松茸探しなんかするから…」
「でも、ほら見つけたっぴー」「凄いですね」
俺は愚痴り、出雲は戦利品の松茸を見せ、隼人は感心した。

「およ?何か雪っぽいね?あ、そうだっぴ。実はまたツチノコを捕まえて――」
「うん、途中で降ってきて大変だったんだ…先風呂入りたい。ツチノコは後でいい。ちゃんと逃がしてやれよ」
俺はパタパタと雪を払う。

そう言えばずいぶん暖かいような。
「まあいいや…」
俺は疲れていたので特に気にしなかった。

そしてその夜、俺は存分に、隼人と親交を深めた。
料理に舌鼓を打ち。
「また負けた!隼人強すぎ!手加減しろ」「真剣勝負」「朔~俺と」「兄貴は後」
「また負けた!隼人、お前…卓球やってるのか?」「いや、これは君が弱い」「朔ー」
一緒にトランプしたり、笑いつつ温泉卓球したり。

 


そして、帰る頃になって。
「なあ、…いま、友達、何人いる?」
ようやく俺はその話題を切り出せた――。

■ ■ ■


「そして、俺と隼人はついに友達になった」

「――、で?」
ノアはうろんな目で速水を見た。それがどうしたの?という呆れ顔だ。

「まあ、ここからだ」
速水は目を細めた。

速水はさらにその先を思い出す――。

帰り道、速水達は道に迷い見事に遭難した。

まず兄が倒れ、隼人が兄を担ぎ。
猛吹雪の中、色々な幻覚その他を見ながら、途中山小屋で妙齢の白い和装の女性に出会って、装備を充実させ。死ぬ思いで下山。
タフな隼人は茨城に戻りすぐに着替え入学式へ出席、新入生代表としてスピーチ。
速水は熱を出して欠席。あの兄貴が、生まれて初めて風邪を引いた…。

口をつぐんでしまった速水を見て、ベスが首を傾げた。
「ハヤミ?どうしたの急に止まって?」
速水は頭を抱えている。

「ダメだ…ノアをそんな目には遭わせられない。隼人は特別なんだ…」
速水は日本語で呟いた。
ぶつぶつと何か言っているが、ノアとベスには聞き取れない。

思い起こせば、…友人ができる度にというか普段からそんな風だった。

原因は今なら分かる。

旅館で、隼人に指摘され。速水は初めてて気が付いた。
昔からずっとおいしく食べていたアレはウナギじゃなくて――。

速水は身震いし、ノアを見た。

「?」
幼気なノアは首を傾げている。――!!…どうみても、ダメだ…。
外の世界を知らない幼気なノアは、ツチノコの呪いに勝てそうにない…!
せめて、隼人くらい図太い神経と強靱な肉体が無いと…!

速水は頭を抱えた。
「ダメだ…ノアをそんな危険な目には…!―まず兄貴を始末して…ツチノコ達にお詫びをしてそれから」

「?ハヤミ。おーい?」
ノアは速水の顔の前で手を振った。

速水はとても怪訝そうな顔をしているノアを見た。
ノアはベスと顔を見合わせ、『??、速水はどうしたんだ?』という動作をしている。

速水はノアをじっと見た。
…このチャンスを逃してはいけない。
付き合いこそ短いが…ノアとは、お互い、友人的な相性は悪く無い気がする。

どうすれば――?

「――そうだ!」
速水は、閃いた。

「ノア、そうだ弟子枠ならある!」
速水は言った。とても嬉しそうに。

「…」
ノアは、ふにゃ、という微妙な感じに顔を引きつらせた。
「それで良ければ、今すぐにでもいける!弟子にしてそこから鍛えて!」

「ハヤミ、…お前」
成り行きを見ていたレオンが、おもむろに立ち上がり、速水の肩に手を置いた。

「レオン。なんだ?」
「お前…残念な奴だな」

「――!!」
速水はもう立ち直れない、という顔をした。

「残念?おれが…」
そうじゃないかなと、思っていただけに、ショックだ。

「どうしてこんなにこじらせたのかしら。もう、友達でいいんじゃないの?」
ベスが言った。
「――ダメだ…ごめん」
速水は項垂れた。

「もういい。そんなヤツ知らない!」
ノアがついにヘソを曲げた。そっぽを向いた。

――決別の時か。
換気ダクトからひゅう、と風が吹き込む。

「…弟子じゃだめか?」
最後に、速水はノアを見て言った。

「何で俺が下なんだよ!友達がいい。だって…俺。チッ――ベスがいるしもういいや」
ノアが忌々しげに首を振り、そして溜息を付いた。

「――っ」
ノア…!!
速水は手を伸ばしかけやめた。
そして速水は言ってしまった。

絶対禁句の、その言葉をシリアスに。

 


「そういえば、ノアも友達居ないんだよな…」


速水は全員にコテンパンにされた。

〈おわり〉

 

 

続き

sungen.hateblo.jp

 

広告を非表示にする