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絵、時々文章なブログ(姉)

sungenのブログです。pixivデータ(主に文章)の保管用ブログ。オリジナルイラスト、小説がメイン。


sungen(pixiv genペア)のブログです。


アート、デザイン、漫画、イラスト、小説について語ったり、作品をアップロードしたりします。
漫画、絵、文章を書きます。二次創作は大神。
長編小説はヘッダのシリーズまとめから探すと楽です。







JACK+ 【番外編】 おとうと。 【小説】

これはずっと書きたかった話。速水さんのしあわせ家族計画
さて、とりあえず短編色々書きました。また本編とかその他書きます。

【本文字数 1630文字】

20160405122944

 

JACK+【番外編】おとうと。


「なあ、ハヤミって、あの変な兄貴がいるんだよな」
夜、風呂上がりでパジャマ姿のノアがぼつりと呟いた。タオルを肩にかけている。

「?兄貴がどうした」
先に風呂に入り、寝支度を終え、のんびり爪を切ったりしていた速水は、首を傾げた。
「いや。となると、ハヤミは『弟』って事だよね?」
「まあ、そうだな」
日本語で弟、と言われて速水は自覚した。そういえばそうだ。

「それが?」
速水は首を傾げた。
「俺もあんな『お兄さん』がほしかった」
ノアは真面目に言った。

「――」
速水は固まった。

まずい。ノアが…、ノアは『兄』という物を誤解している。

日本語、一般常識、勉強、その他色々。
速水はベスに頼まれ、暇な時は教師役に勤めている。

ベスもレオンも、常識はイマイチ。
ベスは、常識的に見えるが…スクール生活が長くどこか浮き世離れしている…。
実家がマフィアなレオンは論外。

なので、速水は普段からできる限り、ノアに外の事を正確に教えようとしていた。

「兄貴が欲しいのか」
速水は、爪切りを置いて、テーブルに移動し。注意深くノアに尋ねた。
「っと、なんでそんな。俺に兄貴が居たらいいな…ってくらいだけど」
ノアは少し戸惑った。

「あ。そこに座ってくれ」「うん…」
ノアは言われるままに座った。
「髪を拭きながらでもいいから、適当に。聞いて欲しい」
適当に、そう言って、速水は真面目に切り出した。
「うん、それは拭くけど…」
ガシガシ、とノアはタオルで頭を拭いた。

「そうだな…ノアは、理想の家族構成って考えた事あるか?」
「…?」
ノアは首を傾げた。

そして、速水は話し始める。
「…俺は将来、いつか好きな誰かと結婚して、幸せな家庭を築きたい。今じゃ自由にできるかはわからないけど、夢の一つだ」
「へえ。それで?」
「ノアにはベスとエリーがいる」
速水は言った。
ノアが少しむくれた。
「――つまり、俺に兄貴とか、無理だから、…欲しがるなってこと?」

速水は首を振った。
「いや、そうじゃない。本題は、これからだ」
「本題」
ノアは繰り返した。

「ノアが、どうしてもって言うなら、考えてもいい」
「―は?」

「うちは母さんがいないから、その場合は…?けど親父はたぶん…、それより国籍が問題か?――いや方法はいくらでもあるな」
速水はつぶやいた。
「??どういうこと?」
「だから、俺の兄貴が気に入ったなら、良かったら俺の――」

ぱこん!
速水は何かで頭を叩かれ、振り返った。
「レオン」
「おい、ハヤミ。ノアに変な事吹き込むな」
呆れた様子でレオンが言った。丸めた雑誌を持っている。
叩かれた速水は頭をさすった。

「別に悪く無いが、面倒だ。やめとけよ」
レオンは速水に言った。
「何でだ?そんなの本人の意志が――」

ノアは首をひねっていたが、ぽん、と手を打った。
「あっ、ハヤミが俺の兄貴になってくれるって事!?嘘!?できるの?」
「でき」「できない。っとに、オラ寝ろ」
レオンが呆れて言った。また丸めた雑誌で速水の顔をつつく。

「――」
これに珍しく、速水が憮然とした。無言の抗議と言うヤツだ。

「何だ?そんな顔して」
「俺は弟か、妹が欲しかったんだ。……いや。やっぱり、いい」
速水は言って、その後、溜息をついて立ち上がった。

「ノア、ゴメン、やっぱり無理みたいだ…」
「いや、いいよ別に。サンキュー。おやすみ」
ノアは苦笑した。やれやれ、と言う感じで速水に手を振った。

「おやすみ」


…速水はベッドに横になり、まどろみながら考えた。

…ノアが弟?
ノアは孤児だし、上手くすれば出来るかも。
――やっぱり、あきらめ切れない。


速水の描く、夢の家族構成。
――お嫁さんを貰って。子供はできれば三人くらい…。
弟はノアで、兄貴は隼人、犬は二匹――。

〈おわり〉

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