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絵、時々文章なブログ(姉)

sungenのブログです。pixivデータ(主に文章)の保管用ブログ。オリジナルイラスト、小説がメイン。


sungen(pixiv genペア)のブログです。


アート、デザイン、漫画、イラスト、小説について語ったり、作品をアップロードしたりします。
漫画、絵、文章を書きます。二次創作は大神。
長編小説はヘッダのシリーズまとめから探すと楽です。







■JACK+ 復讐 -リベンジ-  速水チーム ①プロローグ 【JACK+番外編】(※修正済)

こんな感じで、複数チームを追ってみるとか?まずは速水チームから。(←ライバルの名前がまだ決まらない為…そっちのプロローグも書いてあるんですけど…)

本編終わったらこの話とマイナスも書きたい。ネタバレになるから出せないんですよね…。あとダンス描写(涙)

※何かぼけーっとしてたら、ブログアップが遅れてしまいました。申し訳無いです。
【JACK+リベンジ 暫定あらすじ】
アンダー後期、おなじみの目隠し手錠で謎の孤島に連れてこられた速水、ノア、レオン、ベス。その他の沢山のチーム。
そこで速水は幼馴染みのブレイクダンサーと再会。
サスケ的な電撃アクションに挑みつつ、順位を大幅に上げる為奔走する。
ラストは8人?とか多人数チームで歌って踊る!予定。
予定エピソードはノアデレ、ノアツン期、友との和解、友情深める作詞、日光浴、おいダンスしろよ。など。

本編より多少アホっぽい(明るい)感じになると思いますが、本編の一部として真面目?に書きたいと思います。

この話は、速水がおっさん殴った日から約一月半後の五月二十四日の出来事です。というか二十四日ばかり(^_^;)訳分からないと思うので、そろそろ大年表作ります。

【本文字数 3212文字】

20160402213130

 

リベンジ 速水チーム ① プロローグ

 
「…」
速水朔は目を開けた。
今日は――とても静かだ。
スズメも、カラスもいない。

少し目をしばたく。

そっと身を起こすと、めまいもしなかった。
ほっとした。

一昨日、昨日、今日。
やはり良くなっている…。ベッドから降りようとする。

「あ、起きた?具合はどう?」
カーテンの外で声がした。
ノアだ。

「ああ…今何時だ?」
速水は眠そうな声で返事をして、伸びをした。
「午後四時すぎ。…起きる?」

「四時か…。うん」
少し考えて着替える。
ノアに具合は?と聞かれ、もういいかも、と答えた。

「レオンは?」
着替えながら、速水は聞いた。
「なんか急に召集が掛かって、レオンとベスは出て行った。俺は居残り。それでね…ハヤミ。…君に、話があるんだ」

…話?

速水は着替えを終えて、カーテンを開けた。


■ ■ ■



「ボーカルトレーニング?」
端末を見下ろし、速水は聞き返した。

「そう、ハヤミ、歌、超好きだろ?」
ノアが笑った。

ノアは金髪碧眼。
巻き毛を肩が過ぎるくらいまで伸ばし、首の後ろで一括りに結んでいる。
ノアは速水の一つ下、今は十七歳だが、やや子供っぽく見える。

…レオンとベスは召集が掛かって出て行ったらしい。
ノアは速水が起きるのを待っていたようだ。テーブルの上に何冊か雑誌と、その上に日本語の書き取りノートがある。

今日のノアは白のTシャツ。これは『NOAH』…つまりノアというブランドのシャツで、胸にノアと書かれ、その下にプラスみたいな形の赤い十字架がある。
あとは迷彩柄のカーゴパンツ。同色系のごつめの、黒ラインの沢山入った限定スニーカー。カラフルな紐のブレスレットを適当に巻いている。
当然だが、全て世話役のエリックが持って来た物だ。
ノアはカトリック教徒なので胸にクルス。

ここでも信仰の自由くらいはある。

「ここ」はアンダー。文字通りの地下。
地下組織の…、という意味の地下だ。

…この部屋が本当に地下なのかは、窓が無いので分からない。
だがショーへ行く時は目隠しのまま階段を上がる。



速水朔、彼は今十八歳。
速水は去年の九月に誘拐され、この組織に連れて来られた。
今日は五月二十四日。

――速水はここしばらく、ひどく体調が悪かった。
その為、ウルフレッドに代打を頼み一月半ほど休養していた。

座っているのはいつもの位置。
右に速水、左にノア。クイーン用の個室を背に横並び。

現在時刻は午後四時十四分。一応、端末の片隅で時刻は見られるし、窓の無い壁際には背の低い棚があって、その上にも小さなデジタル時計がある…。
その他棚の上にあるのは、速水のサイフォン――これは新しい物。追加された小型のエスプレッソマシン。ラジカセ、ヘッドフォン。棚の中には定期的に届けられるダンス関連雑誌。ファッション雑誌。
ファッション雑誌は男性雑誌と女性雑誌。

雑誌…こんな所にも金が動いているのかと、速水はたまに呆れる。

この組織の正式名称は『グローバルネットワーク』
馬鹿みたいな名前だがそうなのだから仕方無い。|GAN《ガン》と略されることもある。

彼等の目的は世界征服――ではなくて、『ダンスで世界平和!』というとても馬鹿馬鹿しい代物だ。
だがネットワークは世界平和に大いに本気だ。

最低だ、と速水は常々思っていた。
世界平和自体は実現すればまあ、良い事だが…ネットワークの方向性は大いに間違っている。

速水朔、彼は誘拐された事をまだ恨んでいる。
速水は自分の誘拐を指示したという、この組織のトップ『ジョーカー』…ソイツを見つけたら殺す気でいる。

なぜならソイツが速水のブレイクダンスの師匠である、『先代ジャック』ことジョン・ホーキングを殺したからだ。
…たぶん。
まだ確証は無いが、外に出たら前後関係を洗い出し、必ず…!

凱旋ステージ天井の崩落血まみれのジョン。

あれが事故で無いなら。
俺は死刑でも構わない。

「…どうしたの?具合悪い?」
「いや?」
ノアに言われて苦笑した。どうやら目つきがきつかったらしい。

…速水は、目つきのきつい男だった。

顔立ちはひどく整っているが、普通にしていても怒っているの?と聞かれる。

今日も速水は全身黒色だった。黒の半袖。長ズボン。黒い靴。
愛用の黒くてつばの裏が赤いキャップは、ベッドの横の棚、一番上に置いてある。

最近はずっとパジャマとか入院着、そして裸足だったが、昨日、そろそろ良いかも、と言う言葉を聞いたエリックが嬉しげに持って来た。
世話役の彼は、速水の世話に心血を注いでいる。

ついでにネックレス、バングル。アクセサリーも。別の帽子も。
速水は「ピアスはどうですか?」と、新品のピアッサー片手に聞かれもちろん断った。

服はいつも二、三日分、まとめてエリックが持って来て、洗濯物は毎日、レッスン中に回収される。
つまり、この部屋にはいつも必要分しか置かれない。ベッド脇の棚で事足りる。

「で、俺と、合同レッスンだって!珍しいよな」
ノアの声は弾んでいる。

「……」
速水は黙り込んだ。少し困った様な顔をする。

「あ、大丈夫。俺がフォローするから!ハヤミ歌は上手いし何とかなるって。歌は一週間の集中レッスンで、その間リハビリも兼ねて少しずつ踊るってさ。その後は週に二回くらい?わからないけど。また、今度そういうステージがあるのかな?楽しみだね、あ、ベス達がソレ聞いてるのかな?」
ノアはとても楽しげだ。笑っている。

「??」
速水は首を傾げた。

ノアと俺は、いつからこんなに打ち解けたのだろう…?


ノアは続ける。
「――でね、ベスもそろそろ出産だから、もう来週頭から速水のフレンドの医者が来るって。どんな人だろう?ハヤミはゆっくりで良いから、リハビリしなよ。運営にもしっかり言っといたから。絶っ対、無理はするなよ」
ノアは微妙に苦笑している。

「??分かった。早く調子戻さないとな」
速水は頷いた。…とても気を遣われているのは分かる。…まあ、いいか。

「だから焦らないで。普通でいいよ。――いや、ハヤミ的にはゆっくりで。レオンまだかな?あー暇!ベスはどうだろ。トランプ…」

―と、立ち上がろうとしたノアがドアを見た。
「あ、来たね」
言われた速水も足音に気が付いた。

ガチャと扉が開き、レオンとベスが入って来た。帰って来たと言うべきか。
ガスマスクが目隠しと手錠を外して出て行く。

「二人ともおかえり!」
「ああ」
帰って来たレオンが返事をする。隣にはベス。
レオンの表情は少し微妙だった。

「あらハヤミ、もういいの?」
ベスが大きな腹を抱えて言った。
「ああ、そろそろ普通」
言いつつ、速水は申し訳無くなった。

療養中のことは…時々、覚えていない。
だが妊婦であるベスの個室を占領し、追い出し、迷惑を掛けたのは間違い無い。
個室から解放された後も、皆に色々気を遣わせた…。
よく分からないが、ノアも運営と良く話をしたらしい?後で礼を言っておこう。
それにしても、妊婦のベスまで呼び出されるとは…一体何だろう?

「ベス、具合は?」
速水は聞いた。
「ええ、貴方は?」
苦笑で返されてしまっては仕方無い。
「もう大丈夫」
速水は笑った。

速水はベスの為に椅子を引いて、ベスがそこに座る。

「それ俺の…、まあ…」
ベスの恋人のノアが少し言いかけたが、ノアはやはり機嫌が良いらしい。
それぞれ席に着く。

「で、レオン?何?」
ノアが聞く。
「ああ。――少し先になるんだが」

レオンは、一枚の紙をテーブルに置いた。

その紙には。

『世界平和の為の、海外公演』
そう書かれていた。


〈おわり〉

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