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絵、時々文章なブログ(姉)

sungenのブログです。pixivデータ(主に文章)の保管用ブログ。オリジナルイラスト、小説がメイン。


sungen(pixiv genペア)のブログです。


アート、デザイン、漫画、イラスト、小説について語ったり、作品をアップロードしたりします。
漫画、絵、文章を書きます。二次創作は大神。
長編小説はヘッダのシリーズまとめから探すと楽です。







■【番外編】JACK+ アンダー編おまけ② ゴキブリ退治 【オリジナル小説】

■JACK+(オリジナル) 小説

さて、もう一本番外編です。アンダーに引っ越してきた時のこと。

今、異能編の表紙イラストを描いているのですが、どうも上手く行かないです。

なのであきらめて、いつもの適当表紙でそのうち出すかもしれないです。

私信。何というか、これは結構前に書いてたのですが…ネタ被ってて苦笑しました。やっぱりGの恐怖は書いてしまいますよね(^^;)

【本文字数 4136文字】

20160405122943

 

JACK+ アンダー編おまけ②

 


「今度は四人部屋か…」
ガスマスクから説明を受けた速水は、どうした物かと思った。


「ベス、個室があって良かったね」「ええ」
ノアはベスと個室の中を見ている。

「ん?トイレは何処だ?」
レオンは風呂場を確認している。
レオンはそのまま出て、部屋を見回す。隣の扉を開けてみる。
「あ、バスと別なのか」
洗面スペースはバスの中で、キッチンは無いようだ。

速水はベッドの一つを見た。淡いブルーのカーテンを触る。
一応天井から床まであるそれは遮光になっていて、透けたりはしないが…。薄い。

「あ、ハヤミはどこ使う?レオン。決めようぜ」
ノアが話掛けて来た。

そして適当に決まった。ノアがベスの個室の向かいを取ったので、速水は個室の隣。
レオンは風呂場の近く。

ベッドは病院にあるような物だった。古くは無いが、新しくも無さそうだ。
ベッドの脇には四段の白い棚があって、下二段は扉付きだ。速水は扉を開けて閉めてみるが、何も入っていない。
コンコン、とノックされた。

「ん?」
待っても開かないので、レオンが開けた。

「エリック!」
速水は入って来た人物を見て言った。
「着替えをお持ちしました」
パンストの彼は段ボール箱を持っている。

レオン達が嬉しそうにした。
「おお、エリック。こっちでも一緒なのか」「良かったわ」
「はい。何かご用がありましたら、ドアを内側からノックして『エリックを出せこの豚野郎!』と大声で叫んで下さい。部屋の外にスタッフが常駐しています」
もちろん速水もホッとした。

ベスが尋ねる。
「エリック何持って来たの?着替えとか?」
「はい。これはベスの分です。まだありますから、持って参ります」

「ここって、相変わらず服だけはまともだよね」
ノアが自分の段ボールを見て言った。
「…ん?タキシードに…革靴?…使うのか?」
レオンも箱を開けている。

「エリック、枚数少ないけどこれだけか?」
速水は尋ねた。どう見ても外着二日分、部屋着二日分、と寝間着二日分くらいしか無い。
後はレッスン着が沢山とインナーだらけ。

「いいえ。ハウスキーパーが毎日、新しい物をお持ちします。足りない場合はお申し付け下さい。洗濯物は各ベッド横のそちらのカゴに。回収はハウスキーパーがベッドメイク時に。または私をお呼び下さい」
「ん、了解ー」
ノアは言った。
「あ…ねえ、エイブは来ないの?」
そしてエリックに尋ねた。エイブはノアの世話係だ。
「ええ。残念ですが…、世話役は四人に一人なんです。彼も来たがっていました」
「そっか。…なら仕方無いか。よろしくね、エリック」

「まあ、世話役がいて良かったな…ン?」
レオンはテーブルの端に立ててあった端末を見ている。
「なにそれ?」「あら、何かしら…」
ノアとベスが興味深そうに見ている。

エリックが去った後、速水はベッドの上で荷物を開けていた。
着替えや、特注の耳栓、必要な薬がちゃんと入っていてホッとした。
「ハヤミ、ねえ!コレ知ってる?」
ノアが呼んだので振り返る。
「ん…あ、iPadか」
アイパッド?知ってるのか?」
レオンも首を傾げている。
エリックが端末に詳しい情報があります、と言っていたが、どうやら皆知らないらしい。
「えっとこれは、最新型のパソコンで――ちょっと借りる」
椅子に座って、ざっと見る。何が入っているのだろう?

インターネットにはつながっていない…。メールも出来ない。
だが、ネットワークのホストコンピューターからは随時情報が更新されるようだ。
「へぇ…。ハイテクだな」
一通り触って大体分かったので、皆にざっと説明する。

速水に説明を聞いて、レオン達はいじりだした。
「うわっ、すごい!動いた!これがパソコン!?薄っ」
「ほお。…ん?食事のメニューも見られるのか…晩飯は?」
「ここは?…あら、個人でスケジュールが出るのね。グラビア撮影…?ノアはどうかしら。―もう、上手く動かないわ!」
「えっと。かして。あ俺は別に無い。レオンも。あ、ハヤミはナイフ講座ってある…」

速水は運営の芸の細かさに感心した。金かかってるな。
と言うか、こういう端末があるなら、呼び出しもコレで済ませれば良いのに…。微妙にローテクだ。
皆で和気藹々と、真ん中のテーブルで端末を眺める。
座る位置は、自然とベッドと同じ配置になった。

…異変が起きたのはその時だ。

「ん?」
速水が首を傾げた。――気のせいか?
「どうした?」
「いや、…気のせいだ」
速水はそう言った。
そして一応振り返る。どうせ実際には何もいないし、多分いつもの幻ちょ…。

「」
速水は固まった。

「どうした?」
レオンが尋ねる。
「…、」
速水が見ていたのは、ベスの個室の横、つまり自分のベッドの側の、床に近い部分にあった蓋の無い換気ダクト。

速水はバッと立ち上がった。
「うぁあああ!!!エリック!エリックーー!!」
彼は蒼白になって叫んだ。そしてバタバタと扉に一直線。
レオンは後にも先にも、あれほど速水が慌てたのを見た事が無い。

レオンは反射的に振り返って。その量に、
「なにっ!?」と言って椅子を倒してしまった。換気ダクトから続々、五十はいる。

「きゃぁあああああああああああああーーーーーっ!!」
ベスの悲鳴が響く。
「!!どうしたの…うわ!!?!!?」
ノアが椅子に乗って避けた。
「どうされ――」「っエリック!!殺虫剤!!ゴキブリだ!」
速水が扉の隙間に言って、近くまで来ていたエリックが表情を変えたようだ。
「―ただ今!!」
バタバタと音がして彼は去って行ったらしい。

「おい!お前等!―くそ!開けるぞ!!」「駄目だ!」「なにこれぇえ!」
速水は扉を開けようとしたが、ガスマスクが外で押さえた。
「一体どうした?」「非常事態か?」
ガスマスクが言った。
「いやぁあああーーーーーーっ、コックローチよ!!」
ベスの叫びで何が起きたのかガスマスクに伝わった。

「あっ!おい」
…ガチャン!!と扉が閉められた。

「ベス!個室に避難して!」
ノアは何とか叫ぶベスを安全な場所へと避難させた。
ベスはハッキリ言って虫が全く駄目だ。
「―が、頑張って!」
ついでに幸運を祈って自分も逃げる。ノアもハッキリ言って虫が駄目だ。

「おいっ!ノア」
相手は無数にいる。
「持って来ました!!」
「「エリック!!」」
エリックは一本、どこかからぶんどってきたらしい。

ダクトの側でたむろする大小無数大勢のそいつ等に、どうして速水は気が付かなかったのか?
…そのダクトはカーテンの影になっていたのだ。はじめまとまっていた『そいつ等』は人の気配に反応したのか、気が付けば散り散りになっていた。
――明らかに立て付けの悪い、やたら目の粗い鉄の格子からまだ出て来そうだ…。
出て来た敵はあっと言う間に棚の後ろ、色々な隙間に逃げ込んでしまい、姿が見えない…。

「固い物がいいけど…とりあえず段ボールで塞ごう」
幸い段ボールは沢山ある。応急処置と言うやつだ。

ダクトをのぞいた速水は何かと目が合った。
キュと言う鳴き声。
「ネズミっ?」
「っ…、」
その言葉でレオンは、タンボールをとんでもない速さで千切って、即塞いだ。
どうやらレオンはドラえもんだったらしい。

そして塞いでしまったまま、心底嫌そうにしている。
「おい、ハヤミ!頼む代わってくれ!」
足で押さえている。

「…ちょっと待て。他も見てみる」
速水は他のダクトを点検する。とりあえず逃げて姿が見えないゴキは放置だ。
換気口はいくつかある。
だがやばそうなのは…あとはもう一カ所…。こちらは天井に近い。
どうやらこの二つが古いらしい。他とは素材も違う。…嫌がらせか?
…蜘蛛の巣が張っているが…特に敵は居ない。

「エリック、ガムテープは無いのか?…あ」
…エリックもあまり得意では無いらしい。入り口付近で固まっていた。

「エリック、下がって良い。何かダクトをふさげそうな物とガムテープを」
「い、いえ、私も…」
「別に大丈夫だと思うから、まあ、無理は――」
速水が微笑みながら殺虫剤を床に噴射した。

「コレじゃ足りない。買ってこい。あと固い物」

「はい」
エリックは素直に従った。

■ ■ ■

古いダクトを段ボールとガムテープで塞ぎ、悪戦苦闘の末、何とか大半を始末した。
床は殺虫剤まみれ。棚も動かした。

「…掃除しよう…」「ああ」
グッタリと速水が言って、ちょっと楽しんだらしいレオンが同意する。

エリックが『差し入れた』ほうき、ちりとりでゴミ箱に遺体を入れ、雑巾で床を拭く。
「ハヤミ、まあ、もう居ないか?」
レオンが少し周りを見回して言った。
「ああ、…まあ、塞いだし、残りが居たら殺虫剤で殺(や)ろう」
速水は物騒な返事をした。
「ん。おい開けろ」
レオンがエリックではなく、とりあえずガスマスクにゴミ箱を渡した。

「ノア、ベス、もう出ても良いぞ」
速水はノックしたが、ノアとベスの返事は無い。
…速水が個室をのぞくと、二人は抱き合って震えていた。

「もう居ない、よね…?」
ノアが確認しつつ出て来る。

「俺、あれだけは駄目なんだよ…もういない、いないよね?」
ノアが一人ぶるぶる震える。
ベスは出てこない。
「まあ、多分な」
レオンが言った。


時刻は夜九時を回っていた。レオンは風呂に入っている。
「明日からレッスンか…、ノアは風呂はどうする?先に入るか?」
速水は言って、ノアを見たが、ノアは今日は絶対やめる!と言った。
「だってハヤミ!裸で出くわしたらどうするの!」
「風呂場に殺虫剤置けば―、あと何か固い物で殴れば」
「無理っ、だって固い物って――!?俺、今日はベスのトコで寝る!」
ノアはトイレに消えた。

あ、そうか、クイーンもいるからバス、トイレが別になってるのか…?
一緒だと、風呂ラッシュ中に都合悪いよな。
運営の気遣いとか、ダンサーの要望とかか?
速水はそんな事を考えた。

「ふぅ、お、ハヤミ、悪いな着替えとってくれ」

――レオンが素っ裸で普通に出て来た。丁度良い位置にいた速水に言う。

「…パンツぐらい履け。ベスも居るんだ。ちょっと待ってろ」
毎度の事だが速水は呆れた。せめてタオルとか使えよ。

思いつつ、速水はレオンの段ボールをあさった。

かさ。

「…!」
この気配、いる…。

おそらく、生存者がベッドの下に。――いた。ベッドの脚の所。

何か固いもの――。あった!!
速水は取り出した革靴でゴキブリをカッコーン!と叩いた。

「ちょ!俺の靴!!」
レオンが叫んだ。

〈おわり〉

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